ラグビー・リーグワン3部新規参入のルリーロ福岡「連続プレーでプレッシャーをかけられるチームに」
ラグビー・リーグワンが21日に開幕する。3部には、福岡県うきは市を拠点とする「ルリーロ福岡」が新規参入する。2022年春の発足から2年半で国内最高峰リーグの舞台に上がってきたチームはどんな戦いぶりを見せるのか、注目が集まる。(古島弘章) 【表】ラグビー・リーグワン2024~25シーズンの1~3部の出場クラブ
「左にくれ」「ナイスパス」。11月22日夜、うきは市の県立浮羽究真館高校グラウンドに、屈強な男たちの野太い声が響き渡っていた。リーグ開幕を1か月後に控え、実戦練習に汗を流すルリーロの選手たちだった。
チーム発足以来、選手の大半は日中、不動産や造園業、介護施設などの事業所で働き、夜に集まって練習している。主将でスクラムハーフの三股久典選手(29)は「限られた時間で、100%の準備をしている」と胸を張る。
チームの主力は、廃部になったコカ・コーラレッドスパークス(福岡市)や、休部になった宗像サニックスブルース(福岡県宗像市)から合流してきた選手たちだったが、今年1月末に要件を満たしてリーグワン参入が決まると、新たに約30人が加入し、計約70人に増えた。
そんなチームを10月から指揮しているのは、元日本代表で、コカ・コーラで約9年間プレーした豊田将万ヘッドコーチ(38)だ。
豊田ヘッドコーチは、守備ではタックル後にすぐディフェンスラインに戻ることを徹底し、攻撃でも早く立ち上がって状況判断することを求めており、「ずば抜けて大きい選手や足が速い選手はいない。だからこそ、連続したプレーでプレッシャーをかけられるチームを作りたい」と語る。
その思いはすぐに選手たちに浸透し、10月20日に、同じ3部の中国電力レッドレグリオンズ(広島県)と行ったプレシーズンマッチで、ルリーロは21―20で勝利を収めた。三股主将も「攻撃でも守備でも数的有利の状況を作ることができた」と手応えを口にした。
開幕を前に選手たちの熱量は高い。北九州市出身で、1部の横浜キヤノンイーグルス(横浜市)を退団後に新たに加入したスタンドオフの永富健太郎選手(30)は「ゲームを組み立てつつ、ほかの選手の良さを引き出したい」と意気込む。