カワサキ「Z2」再生 まずは車両の現状を確認 ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.1
高校生の17歳で購入した「カワサキナナハン」
この企画を担当した私自身、実は、70年代の高校生当時、アルバイトで貯めた貯金を頭金にカワサキZ750Four、呼称型式Z2-A4型をローンで購入した経緯があります。 大型自動二輪免許の限定解除に成功した当日、アルバイト先の近所にあったカワサキディーラーへ、カワサキZ2の中古車を見に行きました。店舗のメンテナンスエリアの奥には、4台のZ2中古車が並んでいました。 手前から火の玉カラーの初期型が2台、次にZ2-A前期型のタイガーカラー、そして一番奥には、Z750Fourとサイドカバーに記されて地味なマルーンメタリックのZ2-A4型がありました。手前の初期型から奥へ行くに従って価格が高値になっていました。当時の中古車には、プレミアムな年式など特に無かったので、年式が新しく、走行距離が少なければ、その方が中古車価格も高値設定となる時代でした。 ぼくには「フロントWディスクを標準装備」したA4型が一番魅力的に見えたので「これ買います!! 頭金は……」とショップスタッフにお話ししたことを今も思い出せます。ちなみに一番安値で手前に置いてあった火の玉カラーの初期型は25万円。ぼくが選んだA4型は38万円でした。当時の新車、Z750FXは50数万円でしたので、もしもタイムマシーンがあったなら、今なら一番手前を選ぶこと間違い無いと思います……。
1975年登録の750RS、Z2-A後期モデルがベース
お世話になっているバイクショップ(元カワサキディーラー)のお客さんが長年所有しているZ2-Aの後期型は、中古車購入後にしばらく乗り、その後、置き場が無くなってしまったことから、廃車後に車体をバラバラにして、物置に仕舞ってありました。
組み立てるときにはフレームをニューペイントにして、電気系をリフレッシュしたりなどなど、レストア要素を含めて組み立てる予定だったそうです。分解してから20年以上が経過し、バイク置き場も整頓できたので、当時の部品のまま、レストアすることもなく再度組み立て直されたそうです。それでも複数台所有していたこともあり、お気に入りの1台として走らせていたわけでは無かったそう。 そんなZ2が「知り合いのところにありますよ……」とのお話しを伺ったので「売却予定はありませんか?!」とバイクショップを通じて、オーナーさんへ打診していただきました。その後、お値段的にも折り合いが付き、車検残ありの状態で譲渡されたのが、この1975年式で茶玉虫のZ2A後期モデルでした。