箱根駅伝 駒澤大・藤田敦史監督が誓った「復路優勝」の決意と来季への布石
【5区・山川に見られた平地の走力アップの影響】 1区は「状態がいい」と自信を持って送り出した帰山侑大(3年)が、青山学院大と國學院大をマークして中央大の吉居駿恭(3年)の大逃げを許したが、2位集団のなかでは先頭で國學院大には8秒、青山学院大には12秒差をつけて中継と期待どおりの走りをした。 2区の篠原も、ハイペースで追走してきた早稲田大の山口智規(3年)に動じず、きっちりと自身のペースを刻み、順位は5位に落としたが、1時間06分14秒で区間4位と役割をまっとうした。 「3区の谷中は序盤から速く入るタイプなので、最初の5kmを14分ひとケタ台でいってほしかったけど、『もっといけ』と言っているのにいけなくて、14分23秒かかっていたので、『ヤバいかな』と思いました。本人に聞いたら、『(大会前にあまり)追い込んでいなかったから心肺機能がきつくていけなかった』と。ただ、そのあとは追いついてきた國學院大の山本(歩夢)くん(4年)にリズムを合わせたときに呼吸が整い、『そこからはエンジンかかりました』と言っていました。 あの状況で1時間02分05秒(区間6位)でまとめたし、何より1年生なのに、追いついた山本くんや早大の山口くんを引き離したのはすごい。来年を見据えて使ったのはよかったと思います」 同じく先を見据えて起用した4区の桑田駿介(1年)も、日本人最高で走った青山学院大の太田蒼生(4年)には1分負けただけ。エース級の佐藤と山川のふたり抜きで4位に上げ、4区終了時点で青山学院大に1分32秒差だったのを見て、藤田監督は「復路で戦える」と思ったという。 「あの時点では、山川ならたぶん青学大の若林(宏樹)くん(4年)と互角にいけると思ったので、1分30秒差で復路スタートができるなら6区の伊藤と7区の圭汰の力で逆転可能だという目論見がありました。 でも、今季の山川は平地でのスピードがついたぶん、ストライド(走行時の歩幅)が前より伸びて山のテンポに合わなくなってきた部分もあって......。10km手前ぐらいで左腕がつって、そこから腕が振れなくなり、足ばっかり使っていたら今度は足にきてしまった。ゴールで3分開けられた時点で『これはちょっとやられたな』と思いましたけど、山川でなかったら大ブレーキになっていた可能性もあるし、山川だから区間4番でまとめられたと思います」 山川が芦ノ湖でフィニッシュした時には、往路優勝の青山学院大との差は3分16秒となっていた。