U-19日本代表がなぜ快挙を?その舞台裏とは
今シーズンからG大阪、C大阪、FC東京はU‐23チームを編成してJ3に参戦させている。G大阪では前出の堂安、大会途中からボランチに定着した市丸瑞希がそれぞれ19試合に出場。左右両利きのサイドバック初瀬亮も13試合でピッチに立ち、トップチームでも5試合でプレーしている。 「ガンバから3人も代表に選ばれているということは、試合勘などで(U‐23チームの)効果があったということ。僕自身、グループリーグでの出来があまりよくなかったけど、それでもよく走ることができたと自分でも思っている。僕自身は今シーズンの最初から卒業したいという気持ちでしたけど、J3という場はよかったんじゃないかと思う」 J3の得点ランクで5位タイとなる9ゴールをあげている堂安がトップチームでの大暴れを誓えば、開幕前の沖縄キャンプで遠藤保仁と同部屋になるなど、パスセンスと視野の広さで後継者と期待される市丸も笑顔で続いた。 「もちろんトップチームで出ることが目標で、そのためのアピールとして常にJ3で全力プレーしてきたことが、この大会につながったと思う」 C大阪のU‐23チームでも、準決勝で先制ゴールをあげたFW岸本武流、今大会で5試合に先発したユース所属の左サイドバック・舩木翔が出場時間を伸ばしている。各クラブがそれぞれ強化を図り、今年だけで海外遠征を5回、計15試合も組んだ日本サッカー協会も積極的に育成を後押しした。 クラブと協会が車の両輪を形成し、ようやく力強く前へ進みはじめたところへ、Jリーグもクラブ単位でU‐23チームをJ3に参戦させた今シーズンに続き、来シーズンからはYBCルヴァンカップで東京五輪世代の出場枠を設ける。日本サッカー界が一丸となって、4年後のメダル獲りを目指していく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)