オンライン診療が向いている症状と向かない症状…受診時の注意点は?
教えて!ヨミドック
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。今回のテーマは「オンライン診療」です。 【図解】オンライン診療、受診時のポイント
Q 病院に行かずに診察を受ける方法があるの? ヨミドック オンライン診療のことですね。コロナ禍での時限的な実施を経て規制が緩和され、昨年には電子処方箋の運用が始まりました。薬剤師によるオンライン服薬指導や薬の配送サービスと組み合わせると、家から出ることなく薬まで受け取れます。
Q 医師の選び方は? ヨ 厚生労働省は、かかりつけの医師がオンライン診療を行うのが望ましいとしています。普段から患者と接していて、検査や緊急処置の必要性を判断しやすいためです。かかりつけの医師がいなければ、適切な判断ができる、経験のある医師を選びましょう。 Q どんな診察をするの? ヨ スマートフォンなどの画面を通じて、患者から話を聞き取る問診と、表情や患部をみる視診が基本です。呼吸の荒さなども確認できます。
Q 患者側のメリットは? ヨ 体調が悪い中で通院せずにすみます。長い待ち時間や、風邪などの感染リスクもありません。緊急の処置が必要なら、すぐに対処できる近くの病院を紹介してもらえます。 新型コロナやインフルエンザの疑いがある場合、薬局で購入したキットでの検査を勧められることもあります。日本プライマリ・ケア連合学会の指針では、軽症の新型コロナの患者には、オンライン診療を勧めています。 Q ほかに、どんな症状の診察に向いているの? ヨ 慢性的で安定した症状です。アトピー性皮膚炎や花粉症は、画面越しでも診断しやすいと考えられます。通院が負担で3か月分の薬を一度にもらうより、オンラインなら1か月ごとにこまめに医師と相談することを選択できます。心の病気の継続的な診察にも適していると言えます。 Q 逆に向いてないのは? ヨ 急な胸痛や腹痛など、緊急の処置を要する可能性がある症状には向きません。医師から、対面での診察や救急車の要請を促すこともあります。オンラインでの処方が制限されている薬もあります。 Q 受診時の注意点は? ヨ スマホやタブレットは固定し、顔や患部が明るくはっきり映るようにすると診断しやすくなります。自動車や電車の中など、電波が不安定だったり、騒音が入ったりする場所での受診は控えてください。(江村泰山/取材協力=黒木春郎・日本遠隔医療学会理事、厚生労働省医事課)