阪神がマートンを外せない理由とは
阪神のマット・マートン外野手(33)のスランプが目に余る。20打席ノーヒットをみかねた阪神首脳は22日の横浜DeNA戦で、ついに「6番」に降格させた。開幕を「6番」で迎えた2013年4月以来となる打順でマートンが8回二死三塁から放った24打席ぶりのヒットは、タイムリーとなったが、打率は.207まで急降下中。まだ内容のあるバッティングと復活の兆しが見えてこない。 今季から左足を小刻みに動かしてリズムを作るタイミングの取り方を若干変えているが、それが機能していない。和田監督も「パワーポジション(軸)をつかめていないね。だからポイントでボールを捉えるための間を作ることができていない」と見ている。 阪神OBの一人が言う。 「元々、右足に体重を残して打つのではなくボールと衝突するようなバッティングスタイルなんだが、今季は、さらに前に引き出されてしまう場面が目立つ。あれだけ崩されたら選球眼もなくなるよね」 さらに審判とのストライク、ボールを巡る軋轢が火に油を注ぐ。判定に神経質となり、審判とトラブルを起こし、そこから集中力を欠いて無気力プレーにつながる悪循環は、何も今始まったことではない。ただ、今季は、試合のスピードアップを図るために明らかにストライクゾーンが左右に広がっているため、その変化がマートンを一層、神経過敏にさせている。和田監督が言う。 「スピードアップのためにストライクゾーンは少し変わっているよな。それがマートンに影響しているかどうかわからないが、逆に投手からすれば、有利になるわけだから一概にウチにとって不利になっているとは言えないんだが」 24日付けのスポーツ各紙は、「マートン外しも」と報道したが、和田監督は明言を避けている。 明日、25日の広島戦からは、再びルーキーの江越大賀(22)を1軍昇格させる予定だが、先発予定の黒田博樹(40)に対しては、メジャーでツーシームに慣れているマートンにアドバンテージがある。唯一頼りになる4番のマウロ・ゴメス(30)が、風邪で体調を崩していることもあって、もう1試合、マートンのスタメン出場は、続けられると予想される。和田監督は、筆者に「チームとして我慢の時期」とも話していた。