「延命治療」望まない患者に“高度な救急医療”の矛盾 日本救急医学会などが高齢者救急のあり方に提言
「お正月に家族でディスカッションしていただきたい」
昨年他界した筆者の母は幸い最期まで意思疎通がかない、眠るように息を引き取った。しかし、延命治療などについて語り合うことはなかった。生前に、最期をどう迎えるかを語り合うことに抵抗感があるのは否めない。 真弓委員長は、「(救急搬送時などに)本人の意思確認ができないことが少なからずあるが、どういう最期を迎えたいと思っていたかを家族に聞いてもほとんどの方がそうしたことは話したことがない、と答えられる」と話す。 日頃の話し合いによって本人の考えが家族内で共有されていればこそ、その意思を尊重することができる。本人の誕生日や、敬老の日(9月第3月曜日)などのほか、「お正月(年末年始)の家族が集まったときも話し合いを持ついいタイミング。高齢の家族がいる方は、ぜひ今後の人生のあり方についてディスカッションしていただきたい」(大友代表理事)。 ■榎園哲哉 1965年鹿児島県鹿児島市生まれ。私立大学を中退後、中央大学法学部通信教育課程を6年かけ卒業。東京タイムズ社、鹿児島新報社東京支社などでの勤務を経てフリーランスの編集記者・ライターとして独立。防衛ホーム新聞社(自衛隊専門紙発行)などで執筆、武道経験を生かし士道をテーマにした著書刊行も進めている。
榎園哲哉