芸人・大瀬うたじさん逝去 「脳幹出血」の原因・なりやすい人の特徴を医師が解説
受診・予防の目安となる「脳幹出血の症状」のセルフチェック法
・急に意識が悪くなった場合 ・急に手足の動きが悪くなった場合 ・急に目の動きが悪くなった場合 ・急に喉の動きが悪くなってうまく飲み込めない場合
脳幹出血を予防する方法
・適切な血圧管理 血圧を下げることが脳出血の発症予防に効果的です。そしてこれは生活習慣を見直して改善させることで実行することが可能な方法です。高血圧の改善には塩分摂取量を減らすことと適度な運動が必要です。かつて日本人は塩分摂取量が多い傾向があって重度の高血圧患者も多いと言われていました。脳卒中は国民病と言われ、1970年前後までは脳卒中の中でも脳出血が多数を占めていました。しかし、塩分摂取量を減らすことや降圧薬を用いることで脳出血の死亡率は徐々に減ってきたという経緯があります。ラーメンやスープの汁は残すこと、漬物や佃煮は食べすぎないことなど、食事方法ですぐできることから取り組むことがおすすめです。また、有酸素運動を中心とした運動習慣を続けることも一緒に行うことが良いでしょう。これらの対策でも血圧の値が改善しない場合には、降圧薬を用いて治療する必要があります。 ・健康的な生活習慣の維持 喫煙や肥満、睡眠不足、食べ過ぎ、飲み過ぎなどの生活習慣から生じる生活習慣病が動脈硬化の原因となり、血管の病気を引き起こすことにつながります。禁煙や適切な食事量、睡眠時間の確保を行うなど、可能な限り健康的な生活習慣を維持することが望まれます。 ・脳幹部の異常血管に対する治療 脳幹部に異常な血管があって出血の原因となっている場合にはそれに対する治療を考慮します。前述のように脳幹部にできる海綿状血管腫は出血率が高く死亡率も高いことが知られています。出血を繰り返すこともあることから、海綿状血管腫を摘出する手術を検討します。脳幹部は脳の深部にあり重要な神経が密集している部位なので、手術に伴う合併症の可能性もある難易度の高い手術です。そのため、新たな合併症が最小限で済むように、適切なタイミングをみはからって手術を行うことになります。担当医からよく説明を聞いてください。