世界初の有人月面着陸に成功した「アポロ11号」から今年で55年
月着陸船のハッチは7月21日14時11分に閉じられ、史上初の月面での船外活動は終了しました。船内で休息やシステムチェックが行われた後、2人を乗せた月着陸船の上昇段は7月22日2時54分に離陸し、同日6時34分にコリンズ宇宙飛行士が待っていた司令・機械船とドッキングすることに成功。アームストロング宇宙飛行士とオルドリン宇宙飛行士が司令・機械船に乗り換えた後の同日9時1分に無人の状態で再び切り離された月着陸船の上昇段は、1~4か月後に月面へ衝突したと推定されています。 7月22日に月周回軌道を離れた司令・機械船は大気圏再突入前に司令船と機械船が分離。3名を乗せた司令船は1969年7月25日1時50分(アメリカ東部夏時間同年7月24日12時50分)に太平洋へ着水することに成功し、アメリカ海軍の空母に無事回収されました。 月面に降りた宇宙飛行士が月の微生物を地球に持ち込んでしまう可能性を考慮して、アポロ11号の3名はヘリコプターへ収容される前に生物学的隔離服を着用。空母に到着してすぐに移動式の隔離施設に移り、その中で21日間を過ごすことになりました。
アポロ計画の有人月面探査は1972年12月の「Apollo 17(アポロ17号)」で終了しました。2024年7月21日の時点で、同計画で着陸した12名を除いて月に降り立った人間は一人もいません。なお、アポロ11号のアームストロング氏は2012年に、コリンズ氏は2021年にお亡くなりになりましたが、オルドリン氏は月面着陸から55年経った今もご健在で、SNSでの情報発信も行っています。 アポロ計画から半世紀以上が経った今、NASAは国際的な月探査計画「アルテミス計画」を主導し、再び人間を月に送り込もうとしています。 2022年11月から12月にかけて実施されたアルテミス計画最初のミッション「Artemis I(アルテミス1)」では、NASAの新型宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」が月周辺までの無人試験飛行に成功。2025年9月以降に予定されている同計画最初の有人ミッション「Artemis II(アルテミス2)」ではオリオン宇宙船に4名の宇宙飛行士が搭乗し、アポロ計画以来となる月周辺への有人飛行が行われます。 そして2026年9月以降に実施される「Artemis III(アルテミス3)」では、アメリカの民間企業SpaceX(スペースX)が開発中の月着陸船「Starship HLS(スターシップHLS)」に2名の宇宙飛行士が搭乗し、アポロ17号以来の有人月面着陸が行われる予定です。 Source NASA – 55 Years Ago: Apollo 11’s One Small Step, One Giant Leap NASA – NASA History
sorae編集部