「第3波超える急拡大を危惧」 都の新規感染者、継続的に連続で増加
東京都は25日、都内の新型コロナウイルスの「感染状況」や「医療提供体制」を専門家らが分析・評価する「モニタリング会議」を開いた。会議で、国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長は、新規感染者数が継続して前の週よりも上回っている現状に触れ「今後、変異株等によって急激に感染の再拡大が起こる可能性がある。花見、歓送迎会、卒業旅行などの行事によって、例年通りに人の流れが増加すれば第3波を超える感染の急激な拡大が危惧される」と危機感を露わにした。 【動画】都が新型コロナ分析会議「第3波超える急拡大を危惧」
大曲氏は新規陽性者数の7日間平均について、先週が約293人、今週が約300人だと提示。「依然として高い値が続いている。(前週比は)112%から102%。継続して100%を超えて推移している」と語った。 また、緊急事態宣言が3月21日に解除されて以降、「主要駅、繁華街での人の流れがさらに増えている。急激な再拡大を避けるためには、規制緩和による影響を十分に確認しながら段階的に対策を講じる必要がある」と述べた。 大曲氏が懸念しているのは、昨年夏に新規感染者数のピークを迎えた「第2波」の教訓がある。大曲氏は会議で、「第2波では新規陽性者数の7日間平均がピーク時の346人から十分には減少せずに約150人から200人の間で増減を繰り返した後に、その後急激に感染が拡大して、第3波を迎えた」と説明。「今回は250人を下回らずに推移しており、そして増加に転じている。今後第3波を超えるような経過をたどることが危惧される」とした。 また、「第3波はクリスマスあるいは忘年会などの行事から感染が拡大する例が見られた。似たような状況という意味では、今回は卒業、人事異動の季節を迎えて、歓送迎会、あるいは卒業パーティー、これらを通じての感染拡大への十分な警戒が必要だ」と訴えた。