ネットで売り切れ続出!大人気「せいろ」を飛田和緒が「換気扇の上に」に並べる理由
せいろで「ほったらかせる」
「せいろが売れているということは、みなさん、蒸し料理を作っているということですよね。私も下ごしらえなどでは電子レンジを活用しますが、仕上げまでを電子レンジを使うことは限られているので、せいろ人気になんだか頼もしさを感じます」と飛田さん。 「せいろで蒸した時の一番のいいところは、多少冷めてもおいしいこと。 それと、せいろ自体の見栄えがよいので、蒸したて、熱々のそのまま、食卓へ出せる。 よほどのことがない限り、焦げ付くこともないから、タイマーをかけておけば、ほったらかしもできる(もちろん、長時間はだめですよ)。 難しそうに見えて、やってみると、実はらくちん調理ということがわかります」。 そして、おいしいおまけがついてくるのも、せいろのよさ。 「焼売や肉、魚を蒸すときに、下に野菜を敷いて蒸すと、敷いた野菜までおいしかったり、皿蒸しのときには、皿の底にうまみたっぷりのスープができていたり。 蒸し料理にはお得なおいしさがついてくることがあります」。 せいろを使った蒸し料理は、健康面でもいいことがたくさん。蒸気を充満させて食材に火を通すので、油を使わずに調理ができ、脂が多い肉なども脂を落とすことができます(それが、下に敷いた野菜のうまみになったり、皿の底のスープになるわけですが)。 焼いたり、茹でたりするのと違って、栄養も逃げにくい。特に水溶性のビタミンB群やビタミンCを含む野菜は「蒸し」向き。適度に水分が抜けた素材は甘みやうまみが強く、調味料控えめでもおいしく食べられ、減塩にもなります。
どのサイズを選ぶべきか
ここまでご覧になって、せいろを買ってみようと思われた方。 ネットでも売り場でも、いくつかあるサイズに、どれを選ぶか迷うかもしれません。 せいろの最大のデメリットは、収納のスペースをとることです。中華料理店の厨房でも、せいろはつねに鉄鍋の上にいくつも積み重なっているイメージですよね。仕舞っていないんです。 つまり、適切なサイズとは、家の台所次第。仕舞いやすく、取り出しやすく、使いやすいの3つを考えて選んでいただきたい。 そうすれば仕舞い込むことなく、つねに活用できます。 ちなみに飛田さんは、直径13~30cmまでいろいろなサイズのせいろを「換気扇」の上に置いています。 「1人でごはんのときには16~18cmの、小ぶりのものを使います。肉まん、焼売、ごはん、パン、お餅を蒸したりするときに便利。どれも10数分でふわふわになって、多少冷めても固くなりません。また、冷蔵庫の中の半端に残っている食材を詰め込んで蒸したりしています。ちょっとずつしか残っていない食材も、せいろで出すとそれなりに見栄えがするのが嬉しい」 大きなせいろはどんな使い方をしているのでしょうか。 「家族が揃った時、お客さまがいらした時は、出す量も多くなるので、一番大きな直径30cmを使います。中身は旬の野菜と、その時ある豚肉や鶏肉くらいでも、蒸したての湯気がほかほかあがっているせいろを食卓へ持っていくと、一気に食卓が華やぎます。 大きいと、皿蒸しや、茶碗蒸しも器ごと入るので、深さがある大きなサイズのせいろは、しまうスペースや、のせる鍋さえあれば、使い勝手は最高にいいです」。 「大きなせいろは、瓶の煮沸消毒にも使っています。 ジャムなど保存食を作ったときに、大きなせいろなら少し高さのある瓶も入るし、いっぺんに何個もできるので重宝しています。 蒸し器で煮沸消毒をすることは、長野のりんご農家のお母さん、“せっちゃん”に教えてもらいました」。 小さめの16~18cmは1人分用、大きめの24~30cmは2~3人分用が目安と言われています。どちらも皿蒸し、茶碗蒸しなどができるように器が入る深めのものがおすすめです。“大きなものは置き場所がない”と言う場合、小さめを2段重ねて蒸すのもいいでしょう。