「捻挫」を甘く見るのはNG! 膝や股関節への深刻なリスクを医師が解説
捻挫は医療機関を受診した方がいい?
編集部: 捻挫は日常的な疾患なので、そのまま放置してしまう人も多いと思います。それでも、医療機関を受診した方がいいのでしょうか? 後藤先生: 自分では症状が軽いと思っても、靭帯が部分的に切れていて後々足首の可動域制限や不安定性を残してしまうこともあります。将来的に膝や股関節などにも悪影響を与えてしまう動きになりやすくなるため、症状によっては受診した方がいいでしょう。 編集部: 受診の目安は? 後藤先生: 簡単なのは、「普通に歩けるかどうか」という判断基準です。歩いてみて、片足を引きずっていたり、ケンケンでしか歩けなかったりする場合には、早めに病院を受診しましょう。また、日常的にスポーツをする人は、「普通にスポーツができるかどうか」も受診の目安となります。 編集部: 目安によって、受診するかどうか判断するのがいいのですね。 後藤先生: はい。痛みや腫れがひどく、体重をかけて歩くことができないという場合も、早めに整形外科を受診しましょう。重度の捻挫では、捻挫だけでなく骨折も併発していることがあります。また、腫れや内出血がひどい場合も受診した方がいいでしょう。 編集部: 医療機関では、どのような治療がおこなわれるのですか? 後藤先生: 受傷直後はまだ炎症が続いているので、冷湿布や氷などで炎症を抑えます。その後、サポーターやテーピングをして患部を固定します。 編集部: 重度の場合、どのような治療がおこなわれるのですか? 後藤先生: 患部が安定するまで松葉杖を使ったり、理学療法士とのリハビリをおこなったりします。そうすることで段階的に日常生活やスポーツへの復帰を目指します。特にスポーツをする人であれば、リハビリを受けることで足首の悪い動きを改善し復帰時期が早めることもできます。 編集部: スポーツに復帰するまで、どれくらいかかりますか? 後藤先生: 軽症の捻挫なら2、3週間程度、中等度の捻挫の場合には6~8週間が目安でしょう。