【インタビュー】『ミナ ペルホネン/皆川明 つづく』展は韓国・ソウルのザハ・ハディド設計のDDPにて最終章へ。
2019年に開催された東京都現代美術館「ミナ ペルホネン / 皆川明 つづく」展。各地で巡回してきた同展は、新たな要素を加えてアップデートされ、〈ミナ ペルホネン〉初の韓国での展覧会として開催。今回の展覧会で新しく生まれた《Two Horses and Travelers》や、韓国のアーティストとのコラボレーションに込められた想いとは? 【フォトギャラリーを見る】 2019年11月に開催された東京都現代美術館「ミナ ペルホネン / 皆川明 つづく」展は、その後、兵庫県立美術館、福岡市美術館 、青森県立美術館、そして、台湾の高雄市立美術館と巡回。文字通り“つづいて”きたこの展覧会がこの秋初めて、韓国に表現の場を移し「minä perhonen design journey: the circle of memory」として開催。ザハ・ハディドが設計を手掛けたDDP(東大門デザインプラザ)を舞台に2025年春まで開催される。 「ザハ・ハディドの建築には近未来的なイメージもありますが、DDPにはどちらかといえば有機的で海辺に落ちている石のような温もりを感じたんです。ソウルという都市の中に石がポンと置いてあるような。この建築を訪れるのも楽しみの一つになってくれるといいなと思って展覧会場に選びました」(皆川明) 田根剛が手がけた2019年の『つづく展』の展示構成の際のコンセプトを基軸に、阿部真理子が展示デザインを担当。天井が高く壁面も傾斜しているDDPの特徴を活かしながらゾーニングや導線を再構築し、新たな作品をインストールした。開幕には田根も駆けつけ、〈ミナ ペルホネン〉の作品とザハ・ハディドの建築とが響き合う展示に浸った。 また、韓国における認知度が日本よりも低いことが、流行という短いサイクルにとらわれず創作を続ける〈ミナ ペルホネン〉にとって、再び原点に立ち返ることのできる契機にもなったと皆川はいう。 「私たちのことを知らない韓国の皆さんが、まっさらな気持ちでどんなファーストインプレッションを感じ、どんなふうにメッセージを受け取ってくれるか、とても楽しみなんです」