スバル・クロストレックにトヨタのTHS IIを用いたストロング・ハイブリッド車が登場
2.5リッター水平4に2つのモーターを組み合わせる
スバルが「インプレッサ」ベースのSUV、「クロストレック」に新型ハイブリッド・ユニット搭載モデルを設定した。「e-BOXER」という名称はこれまでラインアップしていたマイルド・ハイブリッド車と変わらないが、このモデルはトヨタのTHS IIを用いることで、モーターが発電や動力のアシストだけでなく、単体での駆動も行うストロング・ハイブリッドを採用している。 【写真29枚】トヨタのハイブリッド・システムを用いたストロング・ハイブリッド仕様を新たに設定したスバル・インプレッサ・ベースのコンパクトSUV、「クロストレックe-BOXER」の詳細画像をチェック ◆ハイブリッドの動力で後輪を駆動 パワートレインは、ハイブリッド用に改良が加えられたフロント縦置きの2.5リッター水平対向4気筒に、駆動用と発電用の2モーターと遊星ギアを用いた動力配分装置、フロント・デフ、電子制御カップリングをセットにした専用トランスアクスルと組み合わせる。駆動方式は4WDを採用。後輪の駆動は、トヨタの前輪駆動ベースのハイブリッド車がモーターを用いているのに対し、e-BOXERはエンジンとモーターの動力をプロペラシャフトを介して伝える。 ◆燃費はWLTCモードで18.9km/リッター エンジンの出力は160ps/209Nm、モーターは119.6ps/270Nmを発生。燃費はWLTCモードで18.9km/リッターをマークする。バッテリーは新開発の高電圧リチウムイオン式で、荷室フロア下に格納。燃料タンクは63リッターと、周辺の省スペース化によりマイルド・ハイブリッド仕様の48リッターから拡大した。 ホイールは専用デザインの18インチで、225/55サイズのオールシーズン・タイヤを装着。サスペンションはマイルド・ハイブリッド車よりリア・ダンパーロッドを延長し、ボトム側のチェックバルブ・スプリングを追加するなど、重量増に対応して見直しを図った。ブレーキは、自然なフィールと高い制動力、効率的なエネルギー回生を実現するべく、回生と摩擦の両ブレーキを協調制御する。 ◆荷室容量は若干縮小 安全面では、強度差を設けたガセットを用い、衝突時のリア・フレームの潰れ方を調整。大型化されたバッテリー・パックに対する衝突安全性を確保した。なお、バッテリーの拡大により、荷室容量は床上279リッターで、マイルド・ハイブリッド車の315リッターより縮小している。 上級グレードとして設定されるストロング・ハイブリッド車は、「プレミアムS:HEV」と上級モデルの「プレミアムS:HEV EX」の2タイプで展開。インテリアは、ブラックと明るいグレーに、ブレイズガンメタリックのアクセントを加え、洗練性とスポーティさを演出。プレミアムS:HEV EXには、オプションで本革シートを設定した。 価格は、プレミアムS:HEV が383万3500~388万8500円、プレミアムS:HEV EX が405万3500~410万8500円となっている。 文=関 耕一郎 (ENGINE WEBオリジナル)
関耕一郎