2050年に国内の茶畑がなくなる!? 美味しいお茶を、美味しく飲める世界をつくる。
このまま茶産業の衰退が続くと、2050年には国内の茶畑がなくなってしまう、という現実。
1980年以降の清涼飲料ブーム以降は海外需要の高まりにより、茶飲料や抹茶の輸出・消費が増加傾向にあります。しかし、生産側は清涼飲料メーカーの台頭以降、茶価の下落が続き、茶農家の高齢化に伴って栽培面積・生産量が減少。収穫量・品質低下が懸念される樹齢30年以上の茶畑が全体の約4割を占めていることが現実です。 また、お茶のサプライチェーンは、様々なステークホルダーがいて成り立っています。 茶畑から茶葉を摘む〈農家〉、流通のために水分含有量を下げた「荒茶」をつくる〈一次加工業者〉、〈農協〉などから取りまとめた荒茶の売買を取り扱う〈茶市場〉、さらに、製品として届ける仕上加工を行う〈二次加工業者(茶商)〉、清涼飲料やティーバッグ加工等を行う〈メーカー〉を介して、商品を販売する〈小売業〉によって、お客様の手に届きます。 ここで重要なことは、ペットボトルのお茶などの清涼飲料の需要が増えて、急須で淹れるリーフ茶の消費が減少したことで、川下側にいるお客様の求める単価や嗜好にあわせた商品をつくるために、川上側にいる農家や加工業者は、求められるお茶をつくらざるを得なくなる、という構造が生まれてしまっていることです。 結果として、比較的低価格で、味わいに特徴が出過ぎず、冷害などに強く安定して収穫が出来る品種が多く育てられ、加工方法も求められる商品に合わせた形を取らざるを得なくなり、本来つくりたいお茶がつくることも出来なくなってしまう方もいます。 さらには、茶産業では生活がままならない現状を受け、新規参入が進まず後継者不足や、担い手の高齢化が進むことで、耕作放棄茶園が増えています。結果として、鳥獣被害や景観を損なうこと、廃棄物の不法投棄など、様々な悪影響を及ぼす問題が発生しています。
持続可能性を高める仕組みづくりと、社会全体での体制づくり。
TeaRoomでは、この複雑な業界構造や、構造によって起こっている弊害を数多く実感したことから、サプライチェーンを以下のようにしました。 飲食業界を越えた、これまでにお茶が入っていなかった様々な業界へお茶の価値を広げていくことでの、川下からの需要開拓と、お茶産業の起点である生産者の感覚からのお茶の研究開発による、川上からの需要開拓をしています。 さらには、耕作放棄地に対して、改めて植え直して新たな茶畑にするまでにかかる最低5年間の期間の収入源を担保すべく、茶畑のカーボンクレジット構想(新たな茶の木を植えること、茶の木の植え直し、および茶畑管理でのカーボンクレジット発行に向けたJクレジットの認証取得に向けたプロジェクト推進)を検討しています。 また、各茶産地の行政、教育機関、栽培経営体のイニシアチブが取れていない現状に対して、それらを取りまとめて繋げるための体制づくりも進行中です。