ドリームCB750FOURをモチーフに、4本出しマフラーを備えたCB400FOUR
オリジナルを超えたその完成度は、新しさすら感じさせる
NC36型CB400FOURのエンジンは、先にも触れたようにCB400SUPER FOURがベースになっている。つまり、水冷DOHC4バルブ並列4気筒なのだが、そのシリンダーには美しいフィンが刻まれ、ミッションはワイドレシオの5速へと変更されている。スペックを見てみると、1996年型のCB400SUPER FOURが最高出力53PS/12000rpm、最大トルク3.7kgm/10000rpmなのに対して、1997年型のNC36型CB400FOURは最高出力53PS/10000rpm、最大トルク4.1kgm/7500rpmとなっている。同じ最高出力を2000rpmも下で発生し、2500rpmも下でより高いトルクを発生するこのNC36型CB400FOURは扱いやすく、走るシーンによってはCB400SUPER FOURよりも速さを示した。 足回りではフロント18インチ、リア17インチのスポークホイールを採用し、ブレーキはフロントダブルリアシングルのディスクブレーキを備える。リアショックはクラシカルなスタイルを引き立てるツインタイプで、4本出しのマフラーと合わせて迫力のあるリアスタイルを生み出している。 細部まで手を抜くことなく作り込まれたNC36型CB400FOURは、発売当時の価格が57万9000円と同時期のCB400SUPER FOURよりも安価であった。CB400SUPER FOURよりもコストがかかっていそうな部分もあるのに安価であり、完成度も高いNC36型CB400FOURであったが、発売翌年の1998年モデルが最終モデルとなっており、そのモデルライフはたった2年という初代モデルよりも短いものであった。 ちなみにホンダのリリースによると1997年の登場時の国内年間販売計画台数は8000台であったが、1998年の後期型発表時には4000台に縮小されている。1995年のCB400SUPER FOURの国内年間販売計画台数が20000台であったことを考えると、NC36型CB400FOURは狙った層の支持を得られなかったと考えるべきだろう。ただ、近年盛り上がりを見せるネオレトロブームの影響でNC36型の価値は見直されつつあり、それはそのまま中古車の価格上昇という形に現れていると言えるだろう。
CB400FOUR(1997)
・全長×全幅×全高:2130×780×1090mm ・ホイールベース:1460mm ・シート高:790mm ・車両重量:210kg ・エジンン:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒399cc ・最高出力:53PS/10000rpm ・最大トルク:4.1kgm/7500rpm ・燃料タンク容量:15L ・変速機:5段リターン ・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク ・タイヤ:F=110/80-18、R=140/70-17 ・価格:57万9000円(当時価格)
後藤秀之