ニットは水洗いできる? 毛玉ケアや洗濯頻度は? プロが教えるニットのお手入れ方法12
ニットが長持ちするデイリーケアの鉄則は?
デイリーケアを徹底すれば持ちが格段にアップ。簡単な3ステップできれいなニットの状態をキープして。「まずは、ブラッシングでほこりや汚れの原因にもなりえる毛玉を取る。それからスチームをあてて汗や臭いを蒸発させる。そのあと風通しのいい場所で椅子の背などに掛けて3日程休ませる。これを繰り返すだけでも、持ちがかなり変わります」(修理専科ニットの穴 皆藤美恵子さん)
衣替え時におすすめの保管方法や気をつけるべき点は?
長期保管前は水洗いでの洗濯がおすすめ。湿気や汗、臭いの対策を徹底することで、虫食いやカビ、黄ばみ対策に。「どうしても洗えないときはスチームアイロンをあてて汗や臭いを蒸発させて。乾燥時は日光に直接あたってしまうと色あせや素材のダメージにもつながるので、陰干しかつ風通しのよい場所で乾かすこと。注意しないといけないのはタンスやクローゼットへしまう時。汗や湿気がある状態で入れてしまうと、カビや虫食い、黄ばみのもとに。しっかり乾かしてからしまうように心がけて。 そして保管時に気をつけた方がいいことは、クローゼットの引き出しの中でぎゅうぎゅう詰めにしないこと。容量の八分目までにして、空気が循環する保管環境を作ってあげて。防虫剤は1番上に置くことで、引き出し全体に対策ができます」(修理専科ニットの穴 皆藤美恵子さん) 「ニットを重ねて収納すると、虫は上から下に移動するため、どれか一枚でもちゃんと洗えていなかったり、乾ききっていないものがあると、すべてのニットが虫に食われてしまう可能性も。上質な天然素材ほど影響を受けやすいので注意が必要です」(#洗濯ブラザーズ 茂木貴史さん)
手洗いかドライクリーニング、どちらがベスト?
天然繊維などの上質なニットはドライクリーニングが安心だと判断してしまいがち。ニットを長持ちさせるには、実は上質なニットこそ水を使った手洗いが必要。「ニット素材にとって虫食いや劣化の1番の原因は汗や汚れ、そして湿気。クリーニング店で行うドライクリーニングは、石油の溶剤で洗うため、油汚れに強い反面、汗の汚れは落ちづらいのです。水の汚れは水でしか落ちません。クリーニング店によっては水洗いをしてもらえることもありますが、一番手軽なのは自宅でのケア。水溶性の洗剤であれば、汗はもちろん油汚れも落ちます。 品質表示には『ドライオンリー』の記載があったとしても、正しい手洗いのポイントが分かっていれば、ウール、カシミヤといった天然素材を含めどんな素材でも基本的には洗えます。ただ、洗濯機で洗う際にかかる遠心力によって生地の摩擦が発生し、縮みやヨレ、色あせの原因に。極力生地に負担を少なくして洗うというのがポイントになります。 ただ、レザーパッチやビジューなどの装飾品が付いているものに関しては、洗うことはおすすめできません。装飾が付いたニットに関しては極力汗を吸わないよう、インナーを着るだけでも汗染み予防になります。着用したあとは湿気をためないよう3日ほど休ませて湿気を蒸発させてください」(#洗濯ブラザーズ 茂木貴史さん)