被災地に届けた1勝 日本航空石川が磨いた武器 全国高校ラグビー
◇全国高校ラグビー大会1回戦(27日・東大阪市花園ラグビー場) ◇○日本航空石川73-8鹿児島実● 【激闘を写真で振り返る】日本航空石川ー鹿児島実 石川県輪島市にある日本航空石川は、元日の能登半島地震の影響で、学校ごと東京に一時移転している。慣れない環境で鍛錬を積む中、震災からまもなく1年を迎える被災地に1勝を届けた。 得意のプレーで試合の流れをつかんだ。14-3で迎えた前半22分。相手陣でのマイボールラインアウトからモールを形成して前進し、最後はNO8セニセニ・カイアヌアヌが貴重な追加点となるトライを奪った。 フランカー立松大は「モールの強さは去年から変わらない、どこにも負けないうちの強み」と胸を張る。勢いそのままに前半だけで5トライを奪い、快勝につなげた。 チームが東京に拠点を移すと、東京で暮らすOBたちは容易にグラウンドを訪問できるようになった。日本代表SHの藤原忍(東京ベイ)をはじめ、第一線で活躍するOBらから「モールは最初のインパクトが大切」と教えを受け、得意のモールに磨きがかかったという。 想定外はそれだけではなかった。目黒学院(東京第1)や昌平(埼玉)など関東の強豪校と頻繁に練習試合を組めるようになった。立松は「強豪のレベルを知って、(相手を)上回れるようにフィジカルを磨いてきた」と自信をにじませる。 次戦に待ち受ける国学院久我山(東京第2)とも、12月上旬に練習試合をしたばかり。この1年の努力の成果を、Bシードの相手にぶつける。【吉川雄飛】