経営難で堕ちた名門を甦らせた“Mr.ドルトムント”…ヴァツケCEOが引退前に理念語る「最高の選手でも売らねば」
ドルトムントの最高経営責任者(CEO)を務めるハンス・ヨアヒム・ヴァツケ氏が、“引退”を前にあれこれ語った。 1日にチャンピオンズリーグ(CL)決勝でレアル・マドリーと激突するドルトムント。11年ぶりのFINALを控え、スペイン『アス』のインタビューに登場したのはヴァツケCEOだ。 ヴァツケCEOは2005年に就任。現在はドイツサッカー連盟(DFB)副会長を務め、UEFAの理事会にも名を連ねるが、2025年末をもって全ての職務から離れる予定に。 CL優勝で欧州の頂点に立った1997年など、90年代後半の栄光から一転、株式上場の大失敗による経営難で堕ちていったドルトムント…そんな黄黒の名門を甦らせた64歳は、引退を前に沢山の思い出を語る。 「私がドルトムントで選手補強の職務をスタートさせたとき、当時はまだ、とにかく安くて若い選手を獲得するしか選択肢がないクラブだったことが印象深い」 「ロベルト・レヴァンドフスキ、マリオ・ゲッツェ、アーリング・ハーランド、ジュード・ベリンガム…こういった選手も獲得できるようになったが、できれば手放したくなかったね」 「結局、解決策はお金なんだよ。最高の選手に残ってもらいたいなら、唯一できることは給料を4倍にすること。しかし、その選手はそれで何かを得られるか? ロッカールームで他の選手が不満をこぼすだけだ。だから、最高の選手に残ってほしくても、どこかで必ず売る」 約20年のチーム編成キャリアで感じ取った新陳代謝の重要性を語るヴァツケCEO。一方で、CL決勝で対戦を控える元所属選手、マドリーのベリンガムについてもコメントした。 「マドリーへの売却交渉は決して不愉快じゃなかった。彼らのスーパーリーグ構想には反対してきたがね(笑) 間違いなく世界最大のクラブであり、私はジュードにいつも『ドルトムントを去るならマドリーへ行け』と言っていた。今の彼は、私のアドバイスのおかげだぞ?(笑)」
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