海自の滞空型無人機、MQ-9B「シーガーディアン」選定 洋上監視を強化
防衛省は11月15日、海上自衛隊の滞空型無人機(UAV)として、米GA-ASI(ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ)が製造するMQ-9B「シーガーディアン」を選定したと発表した。2028年から約10年で計23機を取得する見通しで、洋上監視を強化する。 【画像】防衛省が選定したシーガーディアン 広域の警戒監視や情報収集が任務で、防衛省への提案は双日(2768)によるMQ-9Bのみだった。MQ-9Bはすでに海上保安庁が3機導入済みで、日本周辺海域での監視警戒や海難・災害などの事案対応にあたっている。 大きさは全長11.7メートル、幅24.0メートル。24時間以上飛行でき、複数のセンサーを同時に活用して取得した画像や映像をリアルタイムに地上へ送信する。逆合成開口レーダー(ISAR)イメージングモードを備えたマルチモード海洋表面探査レーダー、AIS(自動船舶識別装置)情報の受信機、光学カメラと赤外線カメラを搭載した高精細のフルモーションビデオセンサーなどで構成され、数千平方海里上の船舶情報をリアルタイムで検出・識別できる。 近年、中国軍による意図的とみられる領空侵犯など、日本の領空や領海に侵入する事案が相次いでおり、無人機の活用で洋上監視を強化する。
Tadayuki YOSHIKAWA