なぜ横浜DeNAは阪神に勝てないのか…スコアブックに残らない3つのミス
先頭の佐野が四球で出塁、宮崎がライト前ヒットで続き無死一、二塁とした。当然、次打者の神里にはバントのサイン。だが、神里のバントは、梅野の前に転がり三塁で封殺、走者を進めることができなかった。その後、二死一、三塁となり、戸柱のセンターへ抜けたかと思われたライナー性の打球は、セカンドベース寄りにシフトをしていた中野の好守に阻まれた。 三浦監督も、試合後、こう苦言を呈した。 「フォースプレーであのシチュエーションは難しいところだが決めて欲しかった」 一、二塁のバントは、三塁手がベースをカバーしているため、三塁側に転がすのがセオリーだが、青柳には“送球イップス“の兆候があり、たとえ一塁側でも青柳に打球を処理させれば、何かが起きた可能性もある。プロとして狙うべき当然の戦略だが、そのレベルにいく前に神里は、ごく基本のバントができなかった。 高代氏は、「あのバントの失敗が、この試合のポイント。横浜DeNAは野球が雑すぎる。7年連続で負け越しているそうだが、その関係を断ち切ることができないのではないか」と厳しい意見を述べた。高代氏が金本前監督時代にヘッドコーチなどを務めた3年間も、ずっと横浜DeNAには勝ち越していた。その理由としては、こう感じていたという。 「とにかくハマスタではよく打った。広い甲子園から、狭い横浜スタジアムにくると、選手の気分が変わるというメンタルの部分も影響していたが、横浜DeNAのバッテリーが攻めてこなかったイメージが強い。戸柱がルーキーとして2016年に入ってきて“内角を使える配球に変わった”と感じた時期もあったが、それも長くは続かなかった」 三浦監督も阪神対策として「投手が攻めること」をクローズアップしていたが、前日の今季第1戦では、14安打9失点と投壊した。 ただ対阪神へ反抗の手段はある。 今日11日には、開幕に間に合わなかったソト、オースティンの両外国人が新型コロナの隔離期間を経て1軍に合流する。試合出場に関しては、試合前の練習の様子を見て判断されるが、もし即起用となれば、試運転なしの“ぶっつけ本番”となる。 判断の難しいところだが高代氏の意見はGOだ。 「現場は使いたいだろう。私がヘッドコーチなら使う。ソトもオースティンもNPBでのキャリアがあり、外国人選手は、いきなりでもやれる。打つ打たないは別にして彼らがラインナップに並ぶだけで波及効果はある」 横浜DeNAの予告先発は、開幕6連敗をプロ初勝利でストップした“救世主”阪口で、阪神は2勝0敗と好調のガンケル。三浦監督は「ひとつ取り返すしかない、全力でやっていく」と、連敗ストップを自らに言い聞かせていた。