【発売60周年】「かっぱえびせん」はどうして「かっぱ」なの?→カルビー公式に聞いてみたら“意外な由来”があった
2024年に発売60周年を迎えた、カルビー(東京都千代田区)のスナック菓子「かっぱえびせん」。天然えびを使用した軽い食感が特徴で、“やめられない、とまらない♪”のキャッチフレーズ通り、どんどん食べ進めてしまうおいしさが子どもから大人まで幅広い世代に愛されるロングセラー商品です。ところで、この「かっぱえびせん」というネーミング、どうして「かっぱ」とついているのか、不思議に思ったことはありませんか? 【画像】「えっ…懐かしすぎん…???(涙)」 これが1964年~現在までの「かっぱえびせん」歴代パッケージです! 「かっぱえびせん」の「かっぱ」はどこから来たのか……ロングセラー菓子のネーミングの謎について、カルビー マーケティング本部 堅あげポテト・スナック部 かっぱえびせんチームの竹中宏樹さんに教えていただきました。
日本初の小麦あられ「かっぱあられ」
Q.まず、「かっぱえびせん」というお菓子が誕生した経緯について教えてください。 竹中さん「1950年ごろ、日本はまだ食糧難の時代で、人々がおなかいっぱい食べるということが夢のようなことでした。当社創業者の松尾孝は『人々に、おいしくて栄養豊富で、腹持ちのいいものを食べてもらいたい』という思いから、新しいお菓子を模索したのがきっかけです。 腹持ちのいいものといえばお米ですが、当時お米は配給制で入手しにくく、値段も高かったそうです。何とか安価でたくさん食べられる腹持ちのいいお菓子を作れないかと考え、思案の末にたどり着いたのが、小麦を原料にすることでした。そうして、1955年、日本初の小麦あられである『かっぱあられ』が発売されます。 しかし、『どうすればもっとおいしくなるのか、あとを引くおいしさの条件とはどのようなものか』と常に考え続けていました。 ある日、松尾は、広島の瀬戸内海で取れた小えびを海辺で干しているところに偶然通りかかり、そのときに『菓子に利用できないか』とひらめいたそうです。その発想の背景には、幼少期に家に持ち帰った川えびで母親が作ってくれた、えびの天ぷらの味がありました。『あのおいしかった川えびの天ぷらのような菓子を作れば、きっとみんなに喜んでもらえる』という思いで、えびを使った商品開発に着手することになりました。 そして試行錯誤の末、鮮度のよい生のえびを、頭からしっぽまでまるごと、殻ごとミンチ状にして、小麦粉の生地に混ぜて蒸気で蒸しながら練る……という現在も変わらない製法にたどり着きます。それは、当社が創業時から今日まで大切にする『未利用資源の活用』でもありました。 『かっぱあられ』を皮切りに、『かっぱ』シリーズの商品を発売し、1964(昭和39)年に『かっぱ』シリーズの最後となる27番目の商品として『かっぱえびせん』が誕生しました」 Q.ずばり、かっぱえびせんの「かっぱ」とは何ですか。なぜネーミングに「かっぱ」とついているのでしょうか。 竹中さん「『かっぱ』は、昭和20年代に流行していた、漫画家の清水崑(しみず・こん)さんが描いた『かっぱ天国』という漫画が由来です。 当時『かっぱ天国』が大人気で、この“かっぱ”人気と語感のよさから、『かわいらしいかっぱをパッケージに登場させたい』と考え、清水さんにお願いをして、かっぱのキャラクターを商品のパッケージに描いたのが『かっぱあられ』です。 『かっぱえびせん』のパッケージは、1964(昭和39)年の発売当時からえびを主役にしているので、かっぱの絵は描かれていなかったのですが、『かっぱ』シリーズの最後の商品として、名前だけが今でも残っています」