<独自>ホテルの忘れ物活用など 野村不動産 エコベンチャーと業務提携【WBS】
大手不動産デベロッパーの野村不動産ホールディングスが、リサイクル事業を手掛けるスタートアップ「エコミット」と業務提携し、SDGsに向けた新たな取り組みを始めることがテレビ東京の取材でわかりました。まずは、ホテルでの忘れ物を活用する仕組みづくりから始めます。 東京・千代田区にある「庭のホテル」。野村不動産グループが運営しています。ランチタイムのビュッフェ会場を見ると、野菜のコーナーに「ホテルの屋上で育てた」と張り紙があります。その屋上の菜園では意外なものが有効活用されていました。 「客が捨て置いたスーツケースをプランターとして再利用している」(「庭のホテル 東京」の海老沼悟総支配人) 宿泊客が客室に置き忘れたスーツケースを解体し、プランターに作り替え野菜を育てています。今年、日本を訪れるインバウンド観光客は年間3500万人に迫る勢いで、ホテル業界は好調な一方で、ホテルが頭を悩ませているのが、宿泊客が部屋に放置する日用品です。 なかでも買い替えや破損によって、無断で置いていかれるスーツケースは、粗大ゴミとして処理費用もかかっていました。
さらに、客が放置した他の日用品も活用する取り組みを6月から始めています。 「客自身が不要になった衣類をベッドの上に置き、このカードを置いてもらう」(海老沼総支配人) 客室に置いていく衣服について、宿泊客が不要品だと意思表示できるカードです。従来はホテル側には不用品と忘れ物の区別がつかず、一定期間保管する義務もあるため、保管スペースの確保などが課題となっていました。 さらに、持ち主が現れない場合は、ホテル側が捨てることになります。 「まだまだ使えそうなものもたくさん含まれているので、再流通させて循環の仕組みに取り組んでいけたら」(海老沼総支配人) 再利用したいと意思表示された衣類は、リサイクル事業を手がけるスタートアップ「エコミット」に引き渡される仕組みです。 野村不動産グループは、運営する4つのホテルでこの取り組みを導入するほか、首都圏の5つの商業施設や4つのマンション物件でエコミットと協業して、不用品回収ボックスを置く計画です。 エコミットの川野輝之CEOは「少しでも生活に身近な場所にパスト(回収ボックス)を設置することでゴミを減らせると確信している」と話しています。 ※ワールドビジネスサテライト