「年金を繰下げしすぎたら損をするって聞いたのですがホントですか?」損益分岐点だけで判断しない方がいい理由を解説
2024年財政検証では、国民年金保険料の納付期間を5年延長することが検討されています。 【写真3枚】老齢年金「損益分岐点はどこ?」生涯受給総額を男女別にシミュレーション!図表で一気見 60歳で定年は現実的ではなくなり、60歳を超えても働き続けることが当たり前という状況になっていくでしょう。 年金の受給開始年齢になっても働き続ければ、年金の繰下げ受給が可能になります。 最大で75歳まで繰下げることができますが、繰下げれば繰下げるほど得をするわけではありません。 何歳の繰下げがベストなのか、損益分岐点だけではわからない、繰下げ受給によって最も得する年齢を検証します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
繰下げ受給について
老齢年金は原則65歳から受給が開始されますが、75歳まで受給を繰下げることができます。 ひと月繰り下げるごとに0.7%増額され、最大で84%(120月)の増額となります。 たとえば、65歳からの本来の年金受給額が100万円の人が、繰下げ受給をして70歳から受け取った場合、年金は42%(0.7%×60月)増額されて、142万円の年金を生涯受け取ることができます。 繰下げは老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々に繰下げることができますが、一度繰下げを選択すると、変更や取り消しはできません。 ●繰下げは状況をみながらできる 年金は自動的に支給されるものではなく、年金の請求手続きを行うことによって支給が開始されます。 そのため、請求の手続きをしないでおくと、年金を繰下げていることと同じになります。 年金を受給したくなったら、年金の請求手続きを行うことで、受給開始年齢の65歳からその時点までの月数に応じて増額された年金を受け取るか、65歳からその時点の受け取っていない年金を一括で受け取るか(この場合増額はなし)の選択ができます。 そのため、年金の受給開始年齢になっても、生活費が確保できていれば、請求しないでおくことで年金を増額することができます。 このように、繰下げ受給は予め繰下げる時期を決めておかなくても、状況をみながら繰下げることができるのです。 ただし、繰下げれば繰下げるほど得をするわけでもありません。 これについて、損益分岐年齢と平均余命から検証してみたいと思います。