「僕と比べるのは失礼ですよ」ドイツで未だ現役プロ選手…本当の“最後の松坂世代”久保康友(44歳)が盟友の引退に思うこと「和田は本当にすごい」
キャリアを積むと浮かぶ「何のために投げているのか」
そこで痛感したのが、自分をいかにマネジメントできるか。“マネジメント力”の巧さが人生を左右する、という現実だった。 「スポーツ選手は年齢が増すほどフィジカルもメンタルも大事になってきます。自分も今でも、何のために投げているのかと自分によく問いかけています。今の僕は気が向いた時に練習をやればいいですけれど、NPBにいると辞めたくてもチーム状況により辞めづらい事情もあるはずです。後々の自分の価値を考えれば辞め時に慎重になると思いますが、僕は(NPBを辞めた時は)そんなことを一切考えなかったですね。今思えば、もう少し考えても良かったのかなと思いますけど」 それでも久保は異国の地で腕を振り続けることに、どこか生きがいを感じている。 自身では“遊び”とやや自嘲気味に表現しているが、本気度が違っていても野球の不毛の地のリーグに今年若い日本人選手がやってきたように、久保が野球の伝道師のような存在になっているようにも見える。 「自分では、そんなつもりは全くないんですけど(苦笑)。でも去年、自分がドイツでプレーしたことで日本とドイツのルートができてきたようには感じます。今年、ドイツの同じリーグに岡田(竜汰)を含めて日本の独立リーグから5~6人の日本人選手が来たように、ドイツに行きたい選手が増えただけでなく、ドイツの指導者が日本人を取りたい、という流れができたのかもしれないです」 それでもヨーロッパで単体の国が野球のリーグを運営するのは難しいのではないか、と久保は明言する。 「チェコは最近、日本との関係性が出来てきているように思いますけれど、ドイツは国で野球のリーグを運営する規模が小さいので、メジャーの支援がないと厳しいんです。でも、日本人がヨーロッパを行き来するようになれば、そういう風潮も変わっていくかもしれないですね。 日本人の野球への慣習を学ぶことで野球に興味を持つ選手が増えれば、将来NPBでドイツ人でも育成で獲得したいと思う選手が出てくるかもしれないし、日本も馴染みが薄いヨーロッパの文化を学ぶことができるので、ウィンウィンになることも多いんじゃないですかね」
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