注目度急上昇、アメリカの女子プロバスケ クラーク選手らが人気をけん引
アメリカの女子プロバスケットボールのWNBAが5月14日に開幕し、28年目の今シーズンは注目度が劇的にアップした。バスケットボールリーグで世界最高峰となっている男子のNBAの陰に隠れがちだったが、大学を卒業してインディアナ・フィーバーに入団したガードのケイトリン・クラーク選手らが人気をけん引している。(共同通信=山崎恵司) 【写真】戦争で手足を失ったウクライナ兵たちの挑戦 義足のリハビリ、車いすバスケ「何かできるという気持ちが心を落ち着かせる」
▽注目の的 注目の的となっているクラーク選手は身長183センチで、飛び抜けたシュート力を備えている。持ち味は、3ポイントラインのさらに後ろから放つ3点シュートだ。 アイオワ大を2年連続で全米大学体育協会(NCAA)女子選手権の決勝に導いたエースは、常に話題の中心にいた。 NCAAで得点記録を次々と塗り替えた超人気選手のプロ入りは、5月14日のシーズン開幕前からWNBAにビジネス上の大きな変化を与えた。 インディアナ・フィーバーから全体のトップで指名された4月15日のドラフトは、中継したスポーツ専門局のESPNによるとWNBAのドラフトでは過去最多の245万人が視聴。昨年の57万2000人の4倍超となり、過去最高だった2004年の60万1000人も大きく上回った。 また、フィーバーの本拠地のインディアナポリスのアリーナで実施されたパブリックビューイングには1万7000人のファンが詰めかけ、クラーク選手が指名される場面を見守った。 昨年、全米中継されたフィーバーの試合はわずか1試合だったが、クラークの入団を受けて今年は36試合に大幅増加。
フィーバーとの試合会場を、より観客席数が多いアリーナに変更するチームも出てきた。首都ワシントンを本拠とするワシントン・ミスティックスは6月7日の試合会場を、通常の4200席の会場から2万席のアリーナに変更。 ラスベガス・エーセズは7月2日の会場を1万2000席のアリーナから2万席のところに移した。 こうした動きからも、テレビ局やWNBAのチームがクラークの人気をいかに評価しているかが分かる。 アトランタ・ドリームとダラス・ウイングスはそれぞれ球団史上初めて、シーズン席が開幕前に完売。クラーク選手の経済効果を浮き彫りにした。 ▽得点記録を次々に更新 クラークがアメリカ全体に知られる存在になったのは、大学時代にさかのぼる。3年生だった2022-23年シーズンから得点力で注目を集め、最終学年の2023-24年シーズンは得点記録を次々に塗り替えたことでメディアに取り上げられる機会が大幅に増加。知名度がさらにアップした。