岸田首相が会見 「まん延防止」18都道府県で延長へ(全文1)13県は6日をもって解除
急激な石油製品の価格上昇を抑制
今回の事態を受けて原油価格が高騰を続けています。原油価格の代表的な指標であるWTIの原油先物価格は、先週末に1バレル91ドル台でしたが、今朝の時点で1バレル110ドルまで急騰しています。この事態に対し、国民生活や企業活動への悪影響を最小化する観点から緊急対策を取りまとめ、あす公表をいたします。一般予備費を3600億円強活用し、今お困りの方に対して迅速に支援が行き届くよう、対応していきます。 まず、当面の間の緊急避難的措置として燃油価格の激変を緩和するために行っている支援を大幅に拡充、強化いたします。現在5円を上限として激変緩和事業を行い、燃油価格の上昇を抑制していますが、ウクライナ情勢の緊迫化を踏まえ、支給上限を最大25円に大幅拡充し、直近の小売価格からの上昇分を補助することで急激な石油製品の価格上昇を抑制いたします。 加えて、漁業や施設園芸に対する重油価格高騰分の補填を拡充するほか、タクシー事業者に対するLPガス価格高騰分の補填を激変緩和事業並みに大胆に行うとともに、地方自治体を通じ、灯油購入支援や暖房費支援など、国民生活への影響を緩和するための支援を行います。 さらに、ウクライナ情勢、原油価格上昇の影響を受けている中小企業の資金繰りに万全を期すため、全国1000カ所に融資の特別相談窓口を設け、低利融資により支援をしていきます。詳細はあす、関係閣僚会合を開催して決定したのち、官房長官から発表をいたします。 また、ウクライナ情勢の進捗も踏まえつつ、来年度も引き続き原油価格が上昇し続ける場合については、国民生活や企業活動への悪影響を最小限に抑えることができるよう、何が実効的で有効な措置かという観点から、あらゆる選択肢を排除することなく、政府全体でしっかりと検討し、対応してまいります。
これまで以上の省エネを
エネルギー問題は1国だけでは対応できない国際的な課題です。IEAをはじめとする国際機関や、主要消費国であるG7各国と連携しながらエネルギー市場の安定化や、エネルギー供給構造の在り方、エネルギー資源の偏在などの課題に取り組みます。 私たちはロシアのウクライナ侵略という極めて深刻な事態に直面をしています。エネルギー価格高騰によるわが国経済への悪影響を少しでも減らすべく、これまで以上の省エネに取り組み、石油やガスの使用を少しでも減らす努力をしていただくことが大切です。国民の皆さんお1人お1人のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。 次に、新型コロナ対応についてです。まず、新型コロナに感染し、苦しんでおられる方にお見舞いを申し上げるとともに、この感染症によりお亡くなりになった方に心から哀悼の意を表したいと思います。全国的な感染状況については、感染者数の今週先週比が19日連続で1を下回っており、改善傾向がさらに確かなものとなっています。他方で、地域によっては感染拡大に遅れて重症者が増加をしたり、クラスターが発生したことなどにより病床利用率がなお高い水準にある都道府県があります。引き続き、先々週申し上げたとおり、コロナ対策の基本姿勢、慎重さを堅持し、強化した地域医療体制を稼働させながら、同時に第6波の出口に向かって徐々に歩みを進めてまいります。 3点申し上げたいと思います。第1に、3月6日に期限を迎える31の都道府県のまん延防止等重点措置については、福島県、新潟県、長野県、三重県、和歌山県、岡山県、広島県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、宮崎県、鹿児島県、この13県において延長を行わず、同措置を6日をもって解除することといたします。 一方で、残りの18都道府県においては連休最終日の21日まで約2週間、まん延防止等重点措置を延長いたします。これらの都道府県においては、オミクロン株の新規感染拡大は落ち着きつつあるものの、病床使用率が引き続き高い水準にあることなどから、自治体のご意見も伺いながら慎重な判断を行うことといたしました。以上について、あす専門家に諮問をし、国会に報告の上、正式に決定をいたします。今後、第6波の出口がよりはっきり見えてくれば、経済社会活動の回復に向けてさらなる取り組みを進めてまいります。他方で、既存のオミクロン株がBA.2に置き換わることなどにより、再度感染状況が悪化する可能性にも十分に注意をし、悪化の兆しがあった場合には対応を見直していきます。