岸田首相「国際法違反の暴挙」ロシアのウクライナ侵攻を強く非難 核戦力の警戒態勢引き上げも「言語道断」
岸田文雄首相は3日夜、官邸で記者会見し、ロシアによるウクライナ侵攻について「力による一方的な現状変更を決して許すことはできない」と述べ、核戦力の「警戒態勢」への引き上げを「言語道断」と強く非難した。 【動画】岸田首相が会見 「まん延防止」18都道府県で延長へ
「オリガルヒ」などの資産凍結も決定
「ロシアによるウクライナ侵略は力による一方的な現状変更の試みであり、欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす行為だ」。会見冒頭、岸田首相はこう切り出し、「明白な国際法違反の暴挙」だと非難した。 日本を取り巻く東アジアの安全保障環境は厳しさを増しているとして、今回のような侵攻は決して許されないという原則を守ることは「我が国の今後の外交安全保障の観点からも極めて重要だ」。 ロシアの核抑止力部隊が警戒態勢を引き上げたことについても「言語道断」だと批判し、「唯一の戦争被爆国であり、また被爆地・広島出身の総理大臣として、核兵器による威嚇も、ましてや使用も、万が一にも許されるものではないことを首脳外交や国際会議の場で強く訴えているところだ」と強調した。 ウクライナとの連帯を示すため、ポーランドなど周辺国に避難した人々に対して、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や国連児童基金(UNICEF=ユニセフ)と連携して約1億ドルの緊急人道支援を行うと表明し、日本への受け入れも進めるとした。 ロシアに対する制裁についても言及した。プーチン大統領らロシア関係者の資産凍結に加え、ロシアの振興財閥である「オリガルヒ」などの資産凍結を決定。国際決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)からのロシアの排除をめぐっては、欧米諸国とともに、ロシア中央銀行との取り引きを制限する措置に加え、SWIFTからロシアの7つの銀行を排除するために必要な国内措置を取ったと明かした。 ベラルーシに対しても「今回の侵略に対する明白な関与に鑑み」(岸田首相)、ルカシェンコ大統領ら個人・団体への制裁や輸出管理措置などを決めた。 質疑では「日本の制裁は欧米に比べると半歩遅い印象」と記者からただされたが、「遅いのではないかという指摘は当たらない。SWIFTについても、先に大西洋諸国という枠組みで声明が発せられたということであり、日本にも参加をお願いしたいという要望を受けて、その日のうちに対応している」と反論する場面もあった。