疑念残るワリエワ出場OKの裁定にキム・ヨナ氏、“タラちゃん”2人のフィギュア界レジェンドに東京五輪で泣いた“あの人”までが猛反発…「強く反対」「規則は例外なく順守すべき」
トリノ五輪、バンクーバー五輪の男子シングルで連続入賞し、NBCで解説を務めるジョニー・ウィアー氏も、「この裁定を許すことはできません。薬物検査で陽性があり、そのために陽性となったアスリートは責任があろうとなかろうと、年齢や検査/結果のタイミングに関係なく、クリーンなアスリートたちを相手に競うことは許されるべきではない」とツイートもしている。 またロシア・アンチ・ドーピング機構が下した資格停止処分解除を不服として今回の異議申し立てを行ったWADAも「失望している」との声明を発表。 共に訴えていた国際オリンピック委員会(IOC)も「裁定に従う必要があり出場は認める」としたものの大会中にワリエワが出場してROCに金メダルをもたらした団体戦のメダル授与式及び、今回の女子シングルでワリエワがメダルを獲得した場合もフラワーセレモニー並びにメダル授与式を行わないという異例の発表を行った。 西側諸国を中心とした海外メディアも厳しい批判を展開した。英BBCは「批評家たちは、薬物検査に引っかかったアスリートがなぜ世界最大の舞台で競うことを許されるのか疑問を抱いている」として前出のリピンスキー氏らのツイートを引用。 「目前に迫っていたワリエワの五輪出場可否に関する問題については(出場を認めるということで)解決したが、一方で五輪に影を落とし、どのように子供をドーピング疑惑の事例に巻き込んだのかという激しい怒りを引き起こしたこの問題については、当分終結が見られない」と問題提起した。 米CNNは「ロシアのワリエワの五輪の試合出場は許可されたが、猶予期間は短いかもしれない」との見出しを取り、「北京五輪に影を落としてしまった薬物検査の論争は冬季五輪を終えても続けられることになる」と、批判的論調で報じた。 「現時点で15歳のワリエワは、一時的な猶予を勝ち取り、火曜日の女子シングルに出場できるが、勝利を収めても、金メダルの表彰も花のブーケを手にすることもなく、ロシアに帰国する際にワリエワは、狭心症の人々に対し一般的に使用される禁止薬物のトリメタジジンに対しての検査陽性の関わりについて、異なるスポーツやドーピング組織の抗議の中にさらされることになるだろう」と続けた。 米CBSスポーツは「ワリエワが薬物検査で陽性にもかかわらず競技を続けることで放免される」との見出しを取り、WADAが裁定後に出した声明の中で「ストックホルムの研究所にワリエワの検査サンプルが北京五輪での競技日程のために優先されるべきと通知されず、ロシア・アンチ・ドーピング機構のミスがあった」と指摘していたことを取り上げた。