コツをマスターして叱り上手な上司になる! 守るべきは「3つのルール」
◇「𠮟り方」にもバリエーションをもたせよう 部下を叱るときの「叱り方」のバリエーションにも気をつけたいものです。状況にもよりますが、ミスだけに焦点を絞って指摘するだけでなく、日頃の「よい評価」があるなら、それをミックスさせて、「ほめ」を入れて叱ったほうが、部下の「気づき」が深まることもあるからです。 「いつものきみらしくないな」「接客上手なきみにしては珍しいミスだね」。こんな導入の言葉があると、ミスをした部下の心もほっこりするからです。「ほめ」と「ほめ」のサンドイッチではさむ「叱り方」もあります。 「いつも業績評価の高いきみが、〇〇のミスをしたのには驚いたよ。まあ、きみのことだから、もう対策も講じてるよね。いちいち気にしないでいつも通りに頑張ってくれ」「さっきの接客を見ていたけれど、さすがだね。ところで、たった一つだけ、優秀なきみにも、ひとつの課題を見つけたんだけど、きみのことだから、もうわかっているね?」 といった誘導で「気づき」を与えるのも一法でしょう。自分で考えてもらえば、こちらから指摘するまでもないからです。 「叱り方」で難しいのは、こちらは軽い指摘のつもりだったのに、本人が重大に受け止めて、すっかり落ち込んでしまうといった事態です。そうならないためには、本人の性格や気質をよく観察しておくことが大事でしょう。 「陽気で明るいタイプの部下」には、くどい指摘や叱責でなく、短く要点を突いた内容で伝えるべきでしょう。 また「内気でおとなしいタイプの部下」には、「ほめ」をよく利かせた、本人の存在を十分尊重しているといったフォローをまじえながら問題点を伝えるのがよいでしょう。 そして、冷静で論理的なタイプの部下には、目に見える数値などのデータを示し、一緒に考えてもらう「叱り方」のスタイルが望ましいでしょう。 また、最近増えている「年上の部下」の場合には、人生の先輩という敬意を忘れずに、的確な事実のみを示し、「手を打っていただけますか?」と解決をお願いすることです。なお女性の場合には、人目のないところで叱るなど、恥をかかせない配慮も重要です。
神岡 真司