各地で相次ぐ噴火 「噴火速報」と「噴火警戒レベル」とは?
火山によって違うレベル判断基準
警戒レベルの基準は各火山によって異なります。例えば、草津白根山の場合は、警戒レベルを2から3に引き上げる基準として、火山性微動の規模拡大や地震活動の活発化、火口付近の明瞭な地殻変動、火口湖である「湯釜」の水温上昇、さらに噴石の飛散などがあります。ここでいう火山性微動とは、マグマや熱せられた地下水、ガスなどによる振動で、火山性地震とは岩盤が割れたり、固まりかけたマグマなどが破裂したりすることです。 今回の噴火は、東京工業大学の観測によると、鏡池付近から1キロ以上吹き飛ばされた噴石が確認されており、「山頂火口から1キロを超え、2キロ以内に影響を及ぼす噴火が発生」の基準に照らして3に引き上げられました。 今後、さらに大規模な地震の多発や、大量のマグマ上昇を示す地殻変動などの噴火の予兆があった場合は4に、噴火が発生して溶岩流が居住地域に迫ったり、溶岩流や噴石が到達した場合は5に引き上げられることになります。
草津温泉は大丈夫なの?
今回の草津白根山では、23日午前9時59分の噴火前まではレベル1でしたが、2度にわたって引き上げられ、午前11時50分にレベル3になりました。対象地域は群馬県嬬恋村と草津町で、近くには有名な温泉街もあります。会見した気象庁地震火山部の齋藤誠・火山課長は、噴火のあった本白根山の鏡池付近から草津温泉(草津町)、万座温泉(嬬恋村)は2キロ以上離れており、現段階では「ただちに温泉や居住地域に影響が及ぶものとは考えていないが、十分注意していただきたい」との見方を示しました。
警戒レベル「1」なら安全?
気をつける必要があるのは、噴火警戒レベルが「1」だからといって絶対に安全というわけではないことです。気象庁によると、「前兆現象がなくても噴石が飛び出す可能性もある」と警告します。今回の草津白根山もレベル1から突発的に噴火しました。「レベル1でも火口の中など危険な場所はある。またレベルを上げないまでも、火山性微動や地震が増えているケースもあるので注意してほしい」といいます。 ・火山登山者向けの情報提供ページ(全国)(気象庁) ・草津白根山の活動状況(気象庁)