世界中が熱視線!発酵デザイナー・小倉ヒラクさんが考えるこれからの“発酵文化”
世界中の“発酵好き”が集まる聖地にしたい
小竹:執念で集めるとのことですが、どのように選ばれているのですか? 小倉:レギュラーで取り扱っている商品は100%、作っている人と作っている場所を知っています。いろんなものを持ち込んでもらえるようになったので、試しにフェアをやってみて、「これ良かったね」となったら、実際に行くんです。 小竹:はいはい。 小倉:そこでようやく取り扱いが始まるのでめんどくさい(笑)。おいしいから仕入れるというのができなくて、ちゃんと関係性ができないと取り扱えませんみたいなルールになっているので、やっぱりすごく愛があります。 小竹:なるほど。 小倉:お店のみんなが見つけてきて、作り手と仲良くなって取り扱い始めた商品は、お客さんに説明するときに愛が出る。味も大事ですが、僕はそういう関係性そのものが発酵の真髄だと思っていて、そういうものをキープして売り場を作っていくということをやっています。 小竹:日本だけではなく、海外のものもいくつか置いてありますよね。 小倉:日本のものがメインですが、僕は海外での仕事も多いので、ご縁のあったものは置いています。フランスのロワールで出会った醸造家のワインを輸入したり、中国の雲南省のプーアル茶を輸入したりとか。ただ、自分たちのアイデンティティの中心は日本です。 小竹:そういうことですね。 小倉:「世界の発酵、みんな集まれ!」という合言葉には2つ意味があって、1つは「世界中の発酵文化を集めたい」。もう1つは「世界中の発酵好きの人たちが集まる聖地にしたい」です。 小竹:人が集まる場所ですね。 小倉:発酵好きは必ずここに来る、ここに来ないと始まらないみたいなお店になったらいいなと思ってやっています。 小竹:これからも進化していく予定などはあるんですか? 小倉:2号店を出しませんかという話がすごく来るのですが、2号店は海外に出そうかなと思っています。アメリカの東海岸から複数オファーもらっているのと、あとはかつて住んでいてなじみのあるヨーロッパですね。ヨーロッパだと例えばブダペストなんて面白いなあと思っています。 小竹:すごく意外な場所です。