世界中が熱視線!発酵デザイナー・小倉ヒラクさんが考えるこれからの“発酵文化”
「お茶」にまつわる文化を探しに行く旅がしたい
小竹:最後に、今後やりたいことを教えてもらえますか? 小倉:僕個人の話ですが、お茶を巡る旅がしたいです。 小竹:ちょっと意外でした。 小倉:世界にはいろいろなお茶の文化があるから、お茶をテーマに旅をしたいと思っているんです。 小竹:それは海外も含めて? 小倉:そうです。日本ももちろんですが、今僕が気になっているのはスリランカです。 小竹:スリランカというと紅茶のイメージですけど。 小倉:スリランカの山の上に登ったら面白いお茶畑がいっぱいあるんです。あとはトルコ。トルコにはミントのお茶とかフレーバーティーがたくさんあって、茶器とか飲み方とかも含めて興味があります。海外のお茶は発酵しているものが多いですしね。 小竹:お茶の発酵というのはどういうもの? 小倉:2種類あります。1つはお茶自身が持っている酵素で発酵させる技術。もう1つは微生物で発酵させる。 小竹:微生物で発酵させるものもあるのですね。 小倉:日本のお茶は発酵しないように頑張るものです。すぐに発酵しちゃうから発酵させないように頑張る。 小竹:葉っぱが発酵しちゃうってことですか? 小倉:そうです。だから、日本茶とは全然違う、いろいろなお茶の楽しみ方やお茶にまつわる文化や技術とかを探しに行く旅がしたいです。僕の次の夢ですね。 小竹:もう動いていそうですけどね。 小倉:海外の茶園は想像を絶する未知の世界で最高の体験ができます。インドのマルガリッタという誰も知らない不思議な茶園にこの前行ったのですが、そこの紅茶が飲んだことのない不思議な味がするんです。 小竹:それは発酵と腐敗のギリギリみたいな感じの? 小倉:そうです。あとは、インドの方の南の方に行くと野生の花とブレンドした紅茶や微生物で発酵したお茶などがあり、僕らの知らないお茶がいっぱいある。だから、そういうものを見つけに行きたいです。 (TEXT:山田周平) 【ゲスト】 ■小倉 ヒラクさん 発酵デザイナー / アートディレクター /「発酵デパートメント」オーナー / ポッドキャスト『#ただいま発酵中』YBSラジオ『発酵兄妹のCOZY TALK』パーソナリティ。東京農業大学で研究生として発酵学を学んだ後、山梨県甲州市に発酵ラボをつくる。「見えない発酵菌たちのはたらきを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちと発酵・微生物をテーマにしたプロジェクトを展開。絵本&アニメ『てまえみそのうた』でグッドデザイン賞2014受賞。著書『発酵文化人類学』『オッス!食国 美味しいにっぽん』『アジア発酵紀行』『日本発酵紀行』など。 X: @o_hiraku https://twitter.com/o_hiraku Instagram: @hirakuogura https://www.instagram.com/hirakuogura/ 【パーソナリティ】 ■クックパッド株式会社 小竹 貴子 クックパッド社員/初代編集長/料理愛好家。 趣味は料理。仕事も料理。著書『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』『時間があっても、ごはん作りはしんどい』(日経BP社)など。 X: @takakodeli https://twitter.com/takakodeli Instagram: @takakodeli https://www.instagram.com/takakodeli/
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