メリットは「リスク分散」以外にも…投資家が手元に〈現金〉を残しておくべき理由【株式投資のプロが解説】
株価下落時に安値で株が買える
手元に現金を残しておくことには、株価下落時に株を買えるという大きなメリットがあります。 「安く買って、高く売る」のが株式投資で勝つための鉄則ですが、株が安い局面で現金を用意できずに好機を逃してしまう人は少なくありません。そんなときに現金を作るために保有している株を売るというような投資行動をしていれば、資産はなかなか増えていかないでしょう。 やはり、常に一定以上の現金を残しておくことが重要なのです。 その上で、高い局面で株を売って現金の割合を上げる、安い局面で株を買って現金の割合を下げる、また上がったら株を売る…。それを繰り返すことが、資産を最大化させるコツです。安いときほどチャンスなのですから、そのタイミングで株をたくさん買えるよう、現金の量をコントロールすることを意識してみましょう。
私生活で大きな買い物が必要になったときのためにも「現金」が重要
また、私生活でなにか大きな買い物をする必要が生じたときのためにも、手元に現金を持っておくことは重要です。 いざ現金が必要になったら持っている株を売ればいい、と考える人もいるかもしれませんが、そのときに株価が大きく下がっていたとしたら、売却によって必要な金額を調達できない可能性もあります。 安い株というのは、買ったときの判断を誤っていなければ、今後値上がりする確率が高いものです。ですから、株を売って現金を作らなければならないときは、安い株を多く売るのではなく、高い株、それも高くなりすぎて値上がりの余地が小さいと思えるような株を少量売るほうが、今後の資産運用への痛手は少なくなるかもしれません。 しかし、株を売って現金を作ろうと思っても、そのタイミングで株価が高いとは限りません。こればかりは運次第といえます。 あらゆる株が安く、「いま売るのはもったいない」という状況で泣く泣く株を売る、という状況に陥るのを避けるためにも、常に現金を一定以上残しておくことが重要なのです。