【大学トレンド】資格取得したら学生に奨励金 公認会計士30万円、国家公務員総合職20万円…
就職活動のみならず、社会を生き抜くための武器になるのが「資格」です。その資格取得に向けて「学びたい」という学生たちの意欲を応援しようと、合格者に奨励金制度を設ける大学もあります。仲間たちと机を並べて勉強する体験を通して、学生たちの様子には取得した資格の数だけでは測れない変化が見られるといいます。 【写真】公認会計士、行政書士、TOEIC…追手門学院大学の奨励金額を見る
追手門学院大学の「資格等取得奨励金制度」が現在の形で始まったのは、2016年度のことです。成績評価(GPA)などで一定の条件を満たした学生が、大学が指定した資格を取得すると、奨励金の支給を受けられる制度です。 対象となる資格は現在23あり、ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定2級なら1万円、日商簿記検定1級なら3万円など、資格の難易度に応じて奨励金の額が決められています(表参照)。最も高額なのは公認会計士で、30万円です。 制度の創設に関わった大学政策部の下川邦泰部長は、こう説明します。 「制度を始めた当時は、学生の就職率を上げるのが、大学の一番の課題でした。そこで学生に小さな成功体験を積み重ねてもらおうと、比較的合格しやすい資格を多くそろえました。4~5年経った頃からは、就職率も他校に引けをとらないくらい向上してきたので、量より質を重視して、対象となる資格を絞り、より高いレベルの資格に挑戦できるように内容を調整してきました」 制度開始から23年度までの過去8年間で、延べ997人が奨励金を受けました。最も取得数が多かった資格は、大学として取得を推奨している宅地建物取引士(宅建士)。最近は基本情報技術者などのIT系資格やTOEICなども人気です。 簡単な資格から徐々にステップアップしていけるラインアップになっているため、一人の学生が複数の資格を取得して奨励金を受けることも珍しくありません。難関資格では、公認会計士(奨励金30万円)で1人、国家公務員総合職2次試験合格(20万円)で6人が奨励金制度を利用しています。