定年後、再雇用で給与が「月19万円」に下がってしまいました。「高年齢雇用継続給付金」をいくらか受け取れると聞きましたが、実際どのくらい支給されるのでしょうか…?
定年を延長する企業が多くなるなかで、再雇用で働くことは多くの労働者にとって新たなスタートである一方、再雇用後の給与は下がる傾向にあるようです。具体的にどれくらいの割合で給与が下がり、その場合にどのような支援が受けられるのか解説します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
60歳以降に給与が下がる人の割合
国税庁の民間給与実態統計調査によると、一般に定年を迎え再雇用となることが多い60歳前後の平均給与の推移は以下のようになっています。 【男性】55歳~59歳:702万円 → 60~64歳:569万円 【女性】55歳~59歳:329万円 → 60~64歳:267万円 男性も女性も60歳以降に約20%給与が下がっていることがわかります。この調査は平均なので、個々のケースによって変わることもあると思いますが、男女ともに再雇用となることが多い60歳を境に給与が下がっています。いきなり給与が下がると生活水準を維持するのが難しいと感じる方も多いでしょう。
高年齢雇用継続給付金とは
定年後に再雇用され給与が下がった人には、条件を満たせば「高年齢雇用継続給付金」が支給されます。具体的には以下の2つに分かれています。 ●高年齢雇用継続基本給付金:雇用保険などの基本手当を受け取っていない人が対象 ●高年齢再就職給付金:基本手当を受け取った後に再就職した人が対象 どちらも、再雇用によって給与が減少した人を支援するためのものです。受給できる金額や具体的な条件について詳しく説明します。 ■受給要件 受給できる要件は以下のとおりです。 ●賃金が60歳時点の給料に比べて75%未満になった ●60歳~65歳の雇用保険の一般保険者(保険期間が5年以上)である ●高年齢再就職給付金については、再就職する前日基時点で基本手当の残り支給日数が100日以上ある ■受給期間 【高年齢雇用継続基本給付金】 60歳に達した月から65歳に達する月までの期間受給できます。ただし、60歳になった時点で受給要件である雇用保険の期間が5年に満たない場合は、5年に達した月から受給ができます。 【高年齢再就職給付金】 基本手当の残り日数によって違いがありますので以下を参照してください。 ●残り日数が200日以上:再就職の翌日から2年 ●残り日数が100日以上200日未満:再就職の翌日から1年 ■受給額 受給される金額は、定年後にどのくらい給与が下がったかを示す低下率に対応する「支給率」に再雇用後の給与を乗じることで計算できます。図表1の支給率早見表を使用して計算します。 図表1