「燃え尽き症候群」って?具体的な症状やうつ病との違いを米専門家が解説
仕事にはストレスがつきもの。とはいえ、頻繁にストレスにさらされていると、燃え尽き症候群を引き起こす可能性がある。 【写真】心が疲れていない? ストレスを感じている「10のサイン」 アメリカの世論調査会社ギャラップが2023年に発表した報告書によると、残念ながら、過去10年間で従業員のストレスは右肩上がり。とくに今年は、2年連続でストレスが過去最悪の水準に達しているという。 この記事では、燃え尽き症候群について知っておくべきことやうつ病との違いなどをアメリカ版ウィメンズへルスから詳しく解説していこう。
燃え尽き症候群とは?
公認心理師で公認エグゼクティブコーチのサラ・サーキス博士によると、燃え尽き症候群とは仕事に関連して起こる症状で、身体的、感情的に慢性疲労を起こしている状態を指すもの。仕事関連のストレスに定期的に対処していなければ、身体的、精神的、認知的な影響が及ぶ恐れがあるのだという。 燃え尽き症候群になると、満足のいく結果を維持するにはいつも以上に頑張らなければならないと感じたり、いつものように努力しているのに何一つ結果が出せないと感じるようになる。 「活動量が自分の活力のレベルを超えると、人は強いストレスを感じるようになります」と話すのは、 臨床心理士で作家兼講演家のモニカ・ヴェルマーニ博士。「日常で強いストレスにさらされ続けていると、それによる症状が日々蓄積され、燃え尽き症候群を発症することがあります。これは自分のことよりも、他人や自分が果たすべき役割を優先してきたからなのです」
燃え尽き症候群の一般的な症状とは?
基本的に燃え尽き症候群は仕事に関連しているけれど、それが私生活にまで波及することはよくある。サーキス博士とヴェルマーニ博士によると、燃え尽き症候群のもっとも一般的な症状は以下の通り。 不眠症:寝付きが悪い、眠りを維持できないなど、睡眠障害を抱える。サーキス博士いわく、これが体力の消耗やイライラしやすくなる原因につながることも。 痛みを伴う:サーキス博士によれば、筋肉の緊張や頭痛が出現したり、その他の身体的な不調を経験することがある。ヴェルマーニ博士いわく、片頭痛の可能性も考えられるそう。 消化管の問題:ヴェルマーニ博士によると、初期の段階では吐き気や便秘、下痢などの症状が出ることがある。サーキス博士いわく、胃痛や、過敏性腸症候群(IBS)関連の症状が出現することも一般的。 興味や関心を失う:サーキス博士が言うには、仕事や同僚(人間関係)に対する興味や関心が薄れ、否定的な態度や感情を抱きやすくなる。これはとくに、チームで働く人にとっては有害に。 注意力の低下:もっとも一般的な症状はブレイン・フォグ。サーキス博士いわく、注意力や認知能力の低下がみられることもある。 達成感の低下:努力しても成果が出ないと感じ始めるため、それが無力感やモチベーションの欠如につながりやすくなる。その結果、責任から身を引いたり、休養をとるために病気休暇をとることになるかもしれない。 人との関わりを避ける:ヴェルマーニ博士いわく、友人や家族から距離を置きたくなる傾向にある。これにより、周りから不満を抱かれることもあるかもしれない。