施設機能を見える化 母子生活支援施設協議会が事例集
全国母子生活支援施設協議会(荒井惠一会長)は事例集「母子生活支援施設が実施する多様な取り組み」をまとめ、ウェブサイトで公開している。4月に改正児童福祉法、困難な問題を抱える女性支援法が施行されたことを踏まえ、施設の役割や機能を「見える化」し、地域の子育て支援施設として理解を広めていく。 事例集では施設の三つの支援の柱「産前産後支援」「アフターケアを含む地域支援」「親子関係再構築支援」と「地域の子育て支援」について、自治体の子育て応援制度や予算などを活用した取り組みを紹介。施設が高機能化、多機能化するための参考とするよう促している。 また、親子を分離せず、母と子に一体的な支援ができる唯一の施設として培ってきた専門性は地域の子育て支援に生かせることを、自治体や関係機関に理解してもらい、新たな事業を獲得するために活用してほしいとしている。 地域の子育て支援も 施設は2022年時点で全国に204カ所あるが、年々減っている。要因の一つは「母親がいるから大丈夫だろう」とみられ、母子への支援の必要性が理解されにくいことがある。また、さまざまな課題を抱える母子に寄り添い、生活と自立を支え、退所者の援助や相談も行っている施設の支援の専門性が見えにくいこともある。 同会はこうした状況に対し、施設の強みとして三つの支援の柱を打ち出し、施設の高機能化、多機能化を図っている。同会の齋藤弘美副会長は「子、母、母子の三つの視点で支援している施設のノウハウは、地域の子育て支援施設としての機能も果たせる」と強調している。