背負い心地にこだわる軽量中型モデルを検証!軽くても、疲れたり痛くなるバックパックはカンベン……
バックパック軽量中型モデルを検証
***************************************** 好評発売中「PEAKS 2024年7月号(No。166)」より、誌面記事の一部をご紹介します! *****************************************。 装備の軽さは、山へ向かう気力と、さらに先へ向かう希望を提供する。 とはいえ、軽さをストイックに求めた道具は、それを使う人に、経験値や知恵、我慢を求める。ハードルが高い……。 気持ちのよい山に行きたいのは、山好きみんなの想い。 そこで、軽さと快適さをバランスよく兼ね備えたテント泊対応容量のバックパックを集めて、深掘りしてみた。 編集◉PEAKS編集部 文◉ポンチョ 写真◉後藤武久。 バックパック選びは難しい。軽快に歩きたいからと軽さを重視すると快適さが低くなる。逆に快適さを求めたバックパックは、重かったり、動きが制限されることが多い。 ちなみに近年広まったウルトラライトの定義は、水や食料などの消費アイテムを除いた装備の総重量が5㎏以下。しかしULギアはそれを使いこなすのに、経験や知恵、ときに体力、我慢が必要だ。「快適か? 」と質問されたら、私は「天気が安定していれば」とか「慎重に計画を立てれば」と答える。自然のチカラをダイレクトに感じるものでもあり、万人向きではないと考えている。 しかし、ライトウェイト=8㎏の装備なら、かなり快適性はアップする。実際に背負う重さは12㎏前後。揃える装備も、例えばテントなら、稜線のテント場を吹き抜ける強風にも耐えられる自立型、半自立型ダブルウォールを選べる。1㎏程度のモデルも多くなり、まさに軽さと快適さを併せ持ち、安心感もある。 そんなテント同様、軽さと快適さをバランスよく備えたバックパックこそ、軽量道具が増えたいまの時代のモデルだと感じる。それは次のような機能を持っている。容量はテント泊山行が可能な40~50ℓ。それ以上の大きさが必要な装備だと、15㎏以上の重量となり、軽快さに欠ける。 12㎏程度の重さを背負うので、荷重分散に機能するフレームを装備。しかしスタンダードなバックパックのような強い剛性のフレームは重量が増えるうえに、動きを制限する。だから軽量で柔軟なフレームがいい。ショルダーハーネスや背面にはパッドを装備。ソフトな背負い心地で身体になじみ、疲労を軽減。 バックパックのブレを抑え、荷重を受け止める幅のあるウエストベルトも必須。さらに、フレーム上部から延びるトップスタビライザーが機能すれば、肩への負担も軽い。 これらの快適機能を備えて、重さは1㎏以下。と考えていたのが、まだその時代には早すぎたようだ。そこで1・3㎏以下で探したのが今回のバックパックだ。そのほとんどは、しっかりした厚さの軽量素材を採用し、破れる心配を解消。しかし軽さを求めたロールトップで広い開口部を備えたものが多く、荷物の出し入れはスムーズ。シンプルなつくりで軽さを求めながら、必要な機能は省略しない。そのさじ加減が個性となった、おもしろいモデルが揃った。