「マチノはゴールマシーンだな!」ドイツで5発だけでなく…日本代表選外・町野修斗“覚醒の2項目”とは「FWとして乗ってきてるのかな」
元サッカー日本代表FW町野修斗(25歳)のインタビュー第3回。代表未招集が続くが、今季はキールで5ゴールを奪っている。着実に成長を遂げた秘訣とは? 〈NumberWebインタビュー/全3回〉 【写真】「あ、足が細い…」町野が“まだガリガリだった”高校時代から…「ドイツでスゴい!」PK職人ぶり、傷心の頃を救った先輩などを全部見る
前目は大体できるようになりました
「あれ、町野のポジションってどこなの?」 今シーズンのホルシュタイン・キールで躍動する町野修斗の試合をパッと見た人はそう感じるかもしれない。 公式戦10試合で5ゴールを叩き込んでいる町野は、センターフォワードとして出場していても、ビルドアップ時にはサイドラインぎりぎりに構え、ウイングのようにプレーすることもある。 その理由を町野はこう語る。 「戦術が目まぐるしく変わるというか……。相手チームのスカウティングや分析によってフォーメーションも毎試合ほぼ、違いますし。自陣でボール持っている時のポジションと、相手陣までボール運んだ時のポジションも違ったりするので。おかげで、前目(のポジション)は、大体できるようになりました」
キールのサッカーが「やってて楽しい」ワケ
第2回で触れたとおり、緻密な指示を理解し、それを自らの血や肉とする上で、今年から分析スタッフとして加わった佐藤孝大の存在は大きかった。マルセル・ラップ監督は、ドイツ代表監督のユリアン・ナーゲルスマンらを輩出したホッフェンハイムの育成組織でキャリアを築いてきた戦術家だ。キールのサッカーを象徴する、昨シーズンのブンデスリーガ2部におけるこんなデータがある。 マイボール時の1分当たりのパス回数:リーグトップ 彼らはボールポゼッションにはこだわらない。ときに長いボールを使うこともある。ただ、攻撃を細かくデザインし、パスをつないでゴールを目指すスタイルはブレない。ロングボールを蹴るとき、どのようにすればセカンドボールを拾えるかまでしっかりと設計されている。 「ああいうサッカーはやっていて楽しいです。仮にゴールにならなくても、練習通りにシュートまで行けたシーンなどではみんなも手応えがあると思います。僕としても、『あそこにあの選手がいたら、ここにポジションを取れば自分はフリーで受けられるな』と考えられるようになったり、『自分がこの位置に立つことで相手をピン留めできるから、2列目の選手をフリーにさせられるな』と考えられるようになったり……」 キールの試合では一見すると、最前線にいる町野の足が止まっているように思えるようなシーンがある。しかし、よく観察すればそんな単純な話ではないことがわかる。町野がセンターバックとサイドバックの間に立つことで、トップ下の選手が相手のマークにつかれないようにと、工夫することである。 主体的にアクションを起こしてシュートにつなげる。 キールの志の高さは突出している。もちろん、選手の配置のバランスを崩すことをいとわないあまり、カウンターから簡単に失点してしまうことも多い。だから、リーグで2番目に多い23失点、リーグワーストの被シュート150本を数えている。
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