PTAを苦しめる「昭和の義務」 著者3人が背景と解決策を徹底解説
大塚 今回は岡田さんや山本さんも経験されていそうな「役員あるある」でまとめてみました。役員さんがラクにならないとPTAは変わらないと思うんです。他の保護者に対して、「私は苦労したんだから、あなたも苦労しなさい」という呪(のろ)いの連鎖が続いてしまうから。 岡田 この「あるある」がコロナ後に見直されている地域もあるでしょう。いずれにせよ、ここに共通しているのはやはり「やらされている」という意識から生まれるネガティブな感情の転嫁と抑圧の移譲ですね。常に「何のためのPTA?」に立ち返ってほしいです。 ◇「PTAあるある」(大塚玲子さん監修) ①「何もしなくていい」と言われて引き受けた役職の仕事が膨大 「会長は入学式と卒業式と運動会のあいさつだけでいいから」。実際はそんなことはなく……。 ②「役員のなり手がいない」と嘆くわりに立候補者は排除される 立候補したのに「あの人はちょっと……」とダメ出し。名前が早く挙がると潰されるのは世の常? ③PTA総会をシャンシャンで終わらせるための「台本」がある そんなに早く終わらせたいだけの総会なら書面総会でいいのでは。 ④会計監査は「計算間違いの有無」の確認役 用途の適否はスルー。役員会の中で一番ラクな仕事としてオススメされます。 ⑤PTAが学校に渡すお金はナゾの費目で処理される 「活動助成金」ってナニ? PTA会費の不正流用や持ち逃げといった事件もありましたね。 ⑥役員決めでは「できない理由」を言わされる 「下の子どもが小さくて」「親の介護がありまして」って言わなきゃいけないこと? ⑦活動を減らすと「ポイントがたまらなくなる」と反対される 〝活動に参加したか見える化〟するために導入されたポイント制。子どもが卒業するまでにためるべきポイント数が決まっているため、活動をスリム化できない……。 ⑧夜や土日に活動したいと言って校長や副校長先生が困り顔 PTA活動のために、先生に休日出勤をお願いするのは酷ですよね。
⑨伝聞スタイルの悪口が聞こえてくる 「〇〇ちゃんのママはちょっと」。聞きたくないのに耳にするウワサの温床は、イヤイヤ活動してるから。 ⑩会議時間のうち半分は資料の読み上げ 「忙しいのに時間のムダ」とフルタイムワーカーがキレるのは当たり前。ますます険悪なムードに。