PTAを苦しめる「昭和の義務」 著者3人が背景と解決策を徹底解説
山本 PTAって何だと思いますか。 大塚 「PTAとは一般的にこういうものだ」と誰かが定義するのはおかしいし、できないとも思うんです。任意団体なので、自分たちで考えるものではないですかね。 岡田 その時の人が決めればいいって意味ですよね。 大塚 そうです。その時の保護者と教職員と、場合によっては地域の人や子どもたちと一緒に考える。その時のメンバーで、PTAとは何か考えて行動することが大事だと思います。 山本 毎年のようにPTAに対する不平不満の声が全国各地で上がるのはなぜ? 大塚 根本は、学校とPTAの区別がついていないからでは。それでPTAが義務、マストだと思われる。子どもが学校に入学すると、保護者はPTAに自動加入することが多いので、そう思うのも無理はありません。 岡田 PTAは任意加入の組織で、入らなければいけないという法律はない。卓球同好会と同じだと説明しても、学校なんだからふざけたこと言うんじゃない、って言われましたね。みんな真面目で、学校だからちゃんとやんなきゃダメだという呪縛があるんです。 山本 岡田さんはPTAとは何だと? 岡田 「大人のはらっぱ」。子どもは10歳の時に最高の能力の段階にあると思っています。でも学校ではその年齢を過ぎると「らしさ」を求められ、「5年生らしくしてください」と言われ始める。「6年生らしく」「中学生らしく」と続く。そうやって学校の中で作り込まれて、萎縮していく。学校だからちゃんとやんなきゃダメだと言っている人たちに邪魔されて、才能を発揮し損ねた10歳以降の人生を取り戻す場だから「大人のはらっぱ」です。上手に自由な発想でPTA活動をすれば、大人のリハビリになる。 大塚 従来のPTAも「いい親らしさ」を求めるような活動が多かったと思います。学校や世間にほめられそうなことを勝手に感じ取って、みんなそこへ押し寄せていったような。 岡田 無意識の忖度(そんたく)だよね。