“リスクが気になる人”のための不動産投資の始め方
不動産投資をきっかけに、様々な投資に幅を広げ、今では数億円の資産を築くことに成功した午堂登紀雄氏。「不動産投資に興味はあるが、なかなか一歩が踏み出せない」という人に向けて、「投資ローン」「空室リスク」「金利上昇リスク」といった懸念事項も含めて、投資へのアドバイスをうかがった。(取材・構成=坂田博史) ※本稿は、『THE21』2024年4月号特集「普通のサラリーマンが定年までに『お金の自由』を手に入れる方法」より、内容を一部抜粋・編集したものです。 ※本稿は2024年3月時点の情報に基づき、投資に対する著者の考え方を示したものであり、個別の金融商品を推奨するものではありません。金融商品の価値は状況によって変動しますので、購入の可否を含む投資の判断はご自身の責任で行うようお願いいたします。
中古ワンルームから私の投資人生は始まった
もう20年以上前の話になりますが、私はコンサルタントとして多忙を極めていました。深夜残業や土日出勤も当たり前。そんな働き方を3年も続けていると、いくら若くても疲弊してきます。もう少し時間に余裕のある働き方に変えたいと思いながら、辞める踏ん切りもつかず、あくせく働いていました。 起業への憧れもありましたが、具体的に何かやりたいビジネスがあるわけでもない。そこで、まずは経済基盤をしっかりさせなければと考えました。ただ当時、会社は副業禁止。株式投資をするにも、株式市場が開いている昼間に取引を行なう時間はありません。消去法で残ったのが不動産投資でした。 本を読むなどして勉強を始め、不動産会社が主催するセミナーにも参加。物件探しをするも、投資資金は70万円しかありませんでした。投資ローンを組むにしても、それほど高額な物件を買うことはできません。 そんな私でも買えたのが、都心の古い中古ワンルームマンション。約700万円のローンを組んで購入したのですが、「ノミの心臓」だった私は、それでも契約書に捺印する手が震えました。 現在は様々な投資を行なっており、3億円ぐらい借金がありますが、ハラハラドキドキするようなことはなく、心身ともに安定した生活を送っています。 不動産投資を実際に始めてわかったのは、信頼できる管理会社に管理を任せておけば、日常的に自分でやることはほとんどないということです。それでいて毎月少ないながらも入金があり、預金通帳の金額は増えていきます。他方、ローンの返済は入居者の家賃によって進み、残額は着実に減っていきます。 「これならもっと不動産を買ったほうがいい。ちまちまやっている場合ではない」。そう思った私は、それからアクセルをベタ踏みするがごとく、買えるだけの不動産を購入していきました。 借金に抵抗がある人、借金は怖いと思っている人が多いと思います。私もその一人でした。 それが「不動産投資では、借金を実質的に他人に返済してもらいながら自分の資産が増えていく」「つまり借金をしたほうが早く資産形成が進む」ことを実感した途端に、恐怖心が消えました。こればかりは、自分で体験してみないとわからないかもしれません。