地方選挙区の議員も東京っ子。脈々と続く「荘園文化」
東京大学安田講堂
▽シリーズ「東京の中の“地方”」その13.最終回(青森県立保健大学社会福祉学科特任教授・小山内豊彦)【票田としての地方】前回述べたように、国会議員は全国民を代表するものであり、特定の地方、階級、職業などの代理人ではなく、完全に独立であり、なんぴとの指令にも拘束されない(強制委任の禁止)こととなっている。しかしながら、実際には特に衆議院議員は小選挙区選出、参議院議員は選挙区選出の場合、とにかくその選挙区で選挙に勝たなければ国会議員になれないわけであるから、おのずからその地元でのPRや実績のアピールが極めて重要となる。選挙戦の時、「私は皆さんの悲願である〇〇の実現について全力を挙げて頑張ります」とか「是非とも私に国とのパイプ役を果たさせてください」といったような演説がなされるのはご存知のとおりである。実際、戦前、原敬首相が地元岩手県のために、採算の見込めない山田線を強引に建設するという利益誘導型の政治を展開したことは前回述べたとおりであるし…
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