「長野(誠)さんの言葉は意識しています。でも、ひとつだけ…」SASUKEのエース“サスケくん”こと森本裕介(33歳)が語った「完全制覇」への想い
2015年に初の「完全制覇」を達成…モチベーションは?
森本が悲願の完全制覇を達成したのは、大学院生として出場した2015年の第31回大会だ。長野の完全制覇を目撃してから9年。ついに自分がその頂に立った。ただ、鋼鉄の魔城を制した後、森本はすぐに次の目標を見つけていた。 「不思議と1回で満足して燃え尽きることはなかったですね。漆原(裕治)さんが完全制覇を2回していたのでまずはそれに絶対に並びたいと。僕はSASUKEに関してはものすごく負けず嫌いなんで(笑)」 2度目の完全制覇までにはさらに5年を要した。その間にはファーストステージでのリタイアも味わった。早期リタイアを喫すれば、残りの時間は他の選手の応援に回る。そこで森本は気づいたことがあった。 「応援する側の痛みですね」 並走して仲間の動きに声を挙げながら、森本は痛みを感じていた。肉体ではない。心がぎりぎりと絞めつけられるのだ。 「やっぱり、痛みですねえ。そう表現するのが一番だと思います。落ちて池から上がるくらいの間に現実を受け入れないといけない時間がある。もう絶対に戻せない。どんなにそこまで積み上げていても、自分がミスして失敗したこの現実は変えようがない。それを受け入れないといけない瞬間は本当に辛いです」 池に落ちた体はすぐに乾いても、その傷口まですぐに塞がることはない。最後の一人に残ることが多い森本も、ファーストステージで落ちて応援する側に回ったとき、痛みを抱えながら応援の声をかけ続けてくれた周りの人たちへの敬意が湧き上がってきたのだ。 「1年間頑張ってきていい成績が出せずに終わって悔しいのに応援してくれている。その気持ちがわかったから、みんなすごいんだなと思いましたし、自分もそうあるべきだろうと痛感しました」 そこからSASUKEに臨む意識も少し変わった。最初の頃はただひたすらにチャレンジャー。自分のため、自分の夢を叶えるために頑張っていた。だが、1回目の完全制覇以降は応援の数も飛躍的に増え、その期待を背負い、力に変えることができるようになった。
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