「長野(誠)さんの言葉は意識しています。でも、ひとつだけ…」SASUKEのエース“サスケくん”こと森本裕介(33歳)が語った「完全制覇」への想い
今から17年前…第18回大会に中学生で初出場
その次の第18回大会に森本はさっそく出場した。「修行中」と書かれた白いTシャツ姿で初々しく登場した中学生は、ファーストステージのトランポリンを使ったジャンピングスパイダーへの飛び移りで落下。これがSASUKEとの長きにわたる戦いの第一歩だった。 その後、高2までの間に4度出場するもいずれもファーストステージでリタイア。芳しい結果が出ないまま、しばらく出場資格も得られないようになる。 「あの頃はとにかく自分の持ってる時間を全てSASUKEのトレーニングに使っていました。練習をやればやるほど強くなると考えていて、がむしゃらに量だけをたくさんやるような意識でした。それは一面では正しくて、体力はすごく上がったけど、SASUKEはスキルも必要。そういうところが全然だめでした。 それにやっぱりメンタルの準備も大事です。そのあたりは全く考えてもいなかったんで、本番は毎回頭が真っ白でした。がむしゃらに取り組んできた分、落ちたくないという思いも強くて硬くなってしまった」 本戦出場が遠のいている間に、森本は高知中学・高校から高知大に進学した。今までと同じように部活に入らずSASUKEに邁進しようと思っていたが、友人に誘われてクライミング部に入った。これがひとつの転機になる。 行き当たりばったりではなくゴールまでのルートをきちんと分析し、そこに至るまでの力の配分、動き方を考える。そんなクライミングの競技特性から、そうした計画的な思考、動きが身についたのだ。 ついでに言えば、「サスケくん」のあだ名をつけてもらったのもバイト先のクライミングジムでのことだ。それはそのまま番組内での森本の代名詞となっていく。例えば山田のミスターSASUKEのようなキャッチフレーズよりも、サスケくんという愛らしい語感は森本の表情や佇まいによく似合ってるように思える。 久しぶりに出場した2011年の第27回大会、森本はついにファーストステージを突破する。メンタル面でもこれまでとは違う形で臨むことができた。 「もしかしたらラストチャンスかもと思ってました。ラストになるなら最後は楽しんで笑顔で終わりたいみたいな気持ちもあったので、結構肩の力も抜けてたんですよ。おかげで普段の練習の成果を出すことができました」 もしここで失敗していたら、次のチャンスはいつになっただろう。ひょっとしたらサスケくんの時代は訪れず、SASUKEの歴史も大きく変わっていたかもしれない。
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