【40代・50代「更年期治療」をアップデート!⑧】更年期の不調以外に婦人科で相談してもいいこと、出してもらえる薬とは?
長らく更年期外来を担当し、病院のかかり方からドクターとのつき合い方まで、手取り足取りナビゲートしてくれる産婦人科専門医の吉形玲美さん。今回は婦人科の現場から、更年期女性が相談してもよい意外なことを教えてもらった。
婦人科の「ついで処方」も賢く利用して
「更年期の不調を感じて婦人科を受診するのは、都市部では当たり前のことになってきています。 一方、地域によってはまだ『更年期は病気じゃないから』という考えが強く、体調不良を我慢している女性も多いことでしょう。更年期の不調は『更年期障害』として、保険適用です。全国どこでも誰でも、気軽に婦人科で相談できるはずなのです。少しずつ、でも確実に不調に対応してくれる婦人科医も増えてきているので、これから変わっていくと思います。 婦人科の治療として、更年期症状の根本治療となるのは、やはりエストロゲンを補うHRT(ホルモン補充療法)ですが、漢方薬やサプリメントもよく出します。多種多様な症状を訴える更年期女性には、『更年期の3大漢方薬』とも呼ばれる漢方薬があります」 《更年期の3大漢方薬》 ●加味逍遙散(かみしょうようさん) ●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) ●桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 「この3つを中心に、症状に応じたさまざまな漢方薬処方を行います。 メンタルの不調には加味逍遙散も出すことは多いのですが、それでも『エクオール』サプリメントのほうが『体感があって安心する』という声をよく聞きます。 婦人科で処方される薬というと、ホルモンに関する薬、婦人科系の病気を治すための薬だけというイメージかもしれませんが、更年期の不調に関してはほかにもいろいろな薬を処方してもらえます。 私のなかでは、それを『ついで処方』と呼んでいます。特に、眠れないなどの症状なら、精神安定剤や睡眠導入剤は、出してもらえることが多いと思います。いま市販で睡眠サポートのサプリも多く出ていて使っている人も多いようですが、しっかり効かせるにはきちんとした処方薬のほうがおすすめです」