「まずい」「なんていうラーメンを出してるんだ」との声も…。山形県の超人気ラーメン店「新旬屋 本店」が、東京でのイベント出店で得た学びと、そこから“再生”するまで
イベントで博多ラーメンや札幌ラーメンに比べて圧倒的に認知度が低いことを知り、「ラーメン王国」としてのアピールをもっとしていくべきというマインドになったという。 地元産の「さくらんぼ鶏」や、麺にも地元産の「ゆきちから」を使い、山形の食材をふんだんに使った「金の鶏中華」にパワーアップしている。ラーメンを通じて他県から山形に来る人が増え、山形県全体を盛り上げることを目指している。 ■彼のラーメンで、笑顔が広がっている
2012年からは山形県内にある児童養護施設の子どもたちを毎年お店に招待し、ラーメンを振る舞っている。もともと東洋水産のカップラーメン企画の優勝賞金を使って、カップラーメンを配りお店に招待したのがきっかけだった。2021年には、県内5つの児童養護施設に自転車を数台ずつ寄付すると、鶴岡市の子どもたちがその自転車に乗って60キロ離れた新庄のお店までお礼に来たという。 「涙が出そうでした。ラーメン一杯でこれだけの笑顔を作れるんだと、ラーメンって本当に凄いなと思いましたね。
はじめは自己満足みたいな感じの活動だったんですが、ラーメンひとつでこんなに子どもたちの笑顔が作れて、自転車で楽しく学校に行けたとか最高じゃないですか。 この中のひとりでも将来ラーメン屋になりたいなと思ってくれたりでもしたら本当に嬉しいですよね」(半田さん) ラーメンが人生を変えてくれた半田さんの利他の精神。ラーメン界への恩返し、地元への恩返しというその熱い心が人気No.1を呼び寄せたのだろう。
井手隊長 :ラーメンライター/ミュージシャン