【毎日王冠】上位人気のトニービン内包馬が大活躍 良血ローシャムパークの舞台適性に魅力あり
有力馬の血統を解説
・ローシャムパーク 3代母に女帝エアグルーヴを持つ名牝系に属し、母レネットグルーヴは二冠馬ドゥラメンテと同じキングカメハメハ×サンデーサイレンスの組み合わせ。ハービンジャー産駒の本馬も牝系譲りのストライド走法で、同牝系の東京での好成績は素晴らしいの一言です。 トニービン内包馬という点も魅力大。ディープインパクト×Storm Catのようなスパッと切れるタイプではありませんが、3~4角から徐々にスピードに乗っていく雄大な走りが容易にイメージできる良血馬です。 ・シックスペンス 母フィンレイズラッキーチャームはアメリカのダ7FGⅠ・マディソンSの勝ち馬。Cryptoclearanceの4×3やDanzigの4×4などが中心のスピード馬で、初仔の本馬も母譲りのスピードが持ち味のマイラー体型に出ています。 2400mからの距離短縮はプラス材料で、高速馬場なら東京芝1800mも守備範囲。ベストではないものの、そつなくこなしてきそうな優等生タイプです。 ・エルトンバローズ 昨年の毎日王冠優勝馬。ただ、父ディープブリランテはLyphardの4×5を持つ機動力型ディープインパクト直仔で、本馬は母父にブライアンズタイムを持つ馬力型の配合形でもあります。 ディープインパクト系+Seattle Song(母Incantation)という準該当馬だけに血統傾向には合っていますが、年齢とともに配合通りの馬体に変化してきており、現状は小回りの中距離戦を前々で運ぶ競馬が理想ではないでしょうか。 ライタープロフィール 坂上明大 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
坂上明大