「主な目的は国会解散だった」議事堂に軍が突入 尹錫悦大統領が発令した韓国「非常戒厳」の狙いは何だったのか
■非常戒厳、発令直後の国会周辺では何が
国会周辺の状況はどうだったのか。発令時、国会近くのカフェにいた韓国人YouTuberのきばるんさんは、当時の状況を振り返る。「戒厳という記事が出たのにはびっくりした。国会に近かったので生配信をしようと向かったが、上空にはもうヘリコプターが飛んでいて、国会近くには銃を持った軍人が約300人いた。記者やメディア、反対勢力、国会議員の人たちが『早く大統領と話をさせろ』という感じで国会の中に入ろうとしたが、軍人が止めていた。身の危険を感じたのでちょっと生配信をやめて、そのまま帰宅した」とし、現地でけが人などは出ていなかったという。 今回の非常戒厳の発令を、市民はどう受け止めたのか。「僕たちにとって非常戒厳は、ほぼ45年ぶりで教科書に載っている、本当に授業で習っているものでしかなかったので、もう本当に戦争が起こるんじゃないかと、そのくらいパニックになっていた。メディアも国会の中に入れないようにしていたので、具体的に何が正しい情報なのかもわからない状況だった」と、騒然とした状況を述べた。 そもそも尹大統領に対する市民の感情はどんなものだったのか。「大統領はもともと検察官出身。韓国でも国会議員を通してエスカレーターのように大統領になるというのが一般的だったが、今回は本当に急に検察官出身で何もノウハウがない尹大統領が選ばれた。実際やってみると、あらゆる政策がうまくいかないし、大統領の妻である尹錫悦が特権を行使して、政治干渉や収賄と様々なやらかしがある。支持率も20%まで低下して、週末にはたくさんの方で反対デモが起こっている。最近は地下鉄ストライキも起きて、従業員の70%が、賃金が低いことを理由に仕事を放棄しているから、地下鉄の50%しか運行していない。通勤ラッシュの時はすごい混乱が起こっていて、尹大統領の政策に混乱している状況だ」と語った。 今回は尹大統領の準備不足とも言われ、一夜にうちに解除となった非常戒厳。与野党問わず批判が噴出し、野党側からは大混乱を招いた非常戒厳の発令は「反乱行為」にあたるとし、弾劾訴追案が国会に提出されている。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部